書評・映画評

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【推奨!】岩崎達也(2016)『日本テレビの「一秒戦略」』小学館新書

岩崎さんの新刊本が重版になった。11月の発売だったので、予想よりは遅めの増刷だった。王者フジをわずか二年で打ち破った日テレの「フォーマット改革戦略」を開示した解説本である。講演依頼も増えているらしい。タイミングよく、わたしとの共編著『メディ...
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【書評】日経ビジネス編(2016)『鈴木敏文 孤高』日経BP(★★★★)

発売から二か月が経過しているのに、ビジネス書で一位にランキングされている(28日17時)。評価者のひとりが、最低点(★1)をつけていたが、その辛いスコアには一理ある。ボリュームで3分の2を占める第2章と第3章が、約20年前に『日経ビジネス』...
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【新刊紹介】大山健太郎(2016)『アイリスオーヤマの経営理念 私の履歴書』日本経済新聞出版社

大山さんと『メーカーベンダーのマーケティング戦略』を出版したことがある。22年前に出した共著は、アイリスオーヤマが海外進出する際、企業紹介用に英語に翻訳されている。米国、オランダ、中国(大連)に進出したころだった。大山さんはその後、ダイヤモ...
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【映画評】原作:こうの史代『この世界の片隅に』(★★★★★)

戦前・戦中の軍港、呉市を舞台にした漫画の劇場版。戦艦ヤマトや原爆ドームが登場する。暗い戦争映画と思いきや、そこには思想的な宣教や直接的な反戦のメッセージはない。ただただ、18歳で広島から呉に嫁いできた主人公すずの日常を淡々と描いていく。
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【書籍紹介】田家康(2013)『気象で読み解く日本の歴史』日本経済新聞出版社(★★★★)

陰鬱な本だった。先週末から読みはじめたのだが、途中で何度も投げ出しそうになった。現在、第3章「1300年イベントという転換期」に差し掛かっている。読書が停止してしまう理由は二つだ。内容が死者の数や飢饉のオンパレードで陰惨なこと。二番目はデー...
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【映画評】新海誠・アニメ作品『君の名は。』(★★★★★)

コレド日本橋・東宝シネマで、話題のアニメ作品『君の名は。』を見てきた。東京で暮らす男子高校生(立花瀧)と、飛騨の山奥の女子高生(宮水三葉)の身体が、夢の中で入れ替わるという話でした。新海監督によると、入れ替わりのヒントは、平安期の「とりかえ...
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【文献紹介】今泉晶(2016)『農業遺伝資源の管理体制』昭和堂

植物遺伝資源(種子)に関するアカデミックな研究書である。植物(種子)の多様性を維持するために、農業者が種子を自由に利用できる権利をどのように守ることができるのか。採種=所有権と種子の調達権について、フィールドワークをもとに考察がなされている...
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【書評】日本経済新聞社編(2016)『さらばカリスマ:セブン&アイ「鈴木」王国の終焉』日本経済新聞社(★★★★)

新聞記者4人が共同執筆したドキュメンタリー。鈴木敏文氏が、セブン&アイの会長を辞任した直後に出版されて話題になった本。鈴木氏に批判的な記事を書くことがなかった日経が、セブンの内情をよく知っていただけに、いつかは書きたかった内容なのだろう。
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【書評】エレツ・エイデン&ジャン=バーティースト・ミシェル(2016)『カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する』草思社(★★★★)

原題は、Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture。文化的な構築物(言語、発明、有名人、事件など)が、どのように登場し、どのように有名になり、どんなタイミングで消えていったのか。歴史や文化を...
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【書評】森岡毅(2016)『USJを劇的に変えた、たったひとつの考え方』角川書店(★★★★)

副題が、成功を引き寄せるマーケティング入門。USJは、『新潮45』でTDRの記事を書くために遊びに行った。何でもありの遊園地(コンセプトに一貫性がない)で、なんでも高い!それでも客は減らない。だから、このパークの指揮官はきわめて有能なのだろ...