書評・映画評

書評・映画評

【書評】ピーター・ターチン著/濱野大道訳(2024)『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』河出書房(★★★★★)

『日本経済新聞』の書評欄(11月23日)で紹介されていた書籍だった。気になったので、書評を読んでその日の人のうちに注文をした。実におもしろい。  本書を読めば、最近起きた2つの政治的な事象に納得がいく。米国大統領選でトランプが再選されたこと...
書評・映画評

【書評】永田洋幸(2024)『生成AIは小売をどう変えるか?』ダイヤモンド社(★★★+★)

残念ながら、本書を読了したが、デジタル技術としてのAIと、小売りのオペレーションの関係がよく理解できなかった。うっすらとわかったことは、AIが小売業の中で、①オペレーション(販促管理、店舗運営、発注業務など)の無駄が排除できて、②企業文化を...
書評・映画評

【書評】ペン編集部(2024)『蔦屋重三郎とその時代』CCCメディアハウス(★★★★)

本書の出版社元「CCCメディアハウス」の親会社は「蔦屋書店」である。CCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)の創業者である増田宗昭氏は、自社の書店を「蔦屋」と命名した。店名の由来は、江戸時代(享保、天明、寛永)に出版文化を築いた人物、蔦...
書評・映画評

【新刊紹介】酒井大輔(2024)『進撃のドンキ:知られざる巨大企業の深淵なる経営』日経BP(★★★★)

最近になって、PPIH(パンパシフィック・インターナショナル)に関する書籍が相次いで刊行された。そのうちの一冊が、酒井大輔氏(日経BP記者)の本書である。酒井さんは、「ワークマン」に関する書籍を数年前に執筆している。本ブログでも書評をしてい...
書評・映画評

【良書・紹介】白井健太郎(2023)『クックマートの競争戦略:ローカルチェーンストア第3の道』ダイヤモンド社(★★★★★)

愛知県豊橋市のローカルスーパー「クックマート」(12店舗、年商約300億円)の白井健太郎社長の本書を、なぜか買い損ねそうになっていた。本書の刊行は2023年7月。発売直前の4月30日午後15時30分に、わたしは「クックマート東脇店」(豊橋市...
書評・映画評

【記事紹介】「特集:世界に挑戦する日本エンタメ」『ニューズウイーク日本語版』(2024年8月13・20日号)

わたしたちの時代(1980年代)は、英語で論文を書くことが標準ではなかった。先輩たちの何人かは、海外で教員(助手や准教授)を経験して日本に戻ってきたが、その後も英語で仕事をしている人は少なかった。
書評・映画評

【書評】ジャック・アタリ(2020)『食の歴史:人類はこれまで何を食べてきたのか』プレジデント社(★★★★)

関西に住んでいる子供(京都、神戸)とお孫さんたち(神戸)に会いに、新幹線で小さな旅を試みた。旅行の行程は、先週の土曜日のブログ「そうだ 京都、行こう」(5月25日)で紹介した通りである。  品川発で京都着の新幹線のぞみ号に乗る前に、当初の計...
書評・映画評

【ミュージカル・映画評】劇団四季「ゴースト&レディ」(★★★★★+★)

2012年まで、わたしの人生はミュージカルとは無縁だった。ところが、浅利慶太さんの分厚い本を読んでから、劇団四季を観るために全国の劇場に足を運ぶようになった。最初の四季体験は、大阪のライオンキングだった。いまでは、年に4、5回は四季のステー...
書評・映画評

【映画の紹介記事】「オッペンハイマー、アメリカと原爆」『ニューズウイーク日本語版』(2024年4月16日号)

この雑誌は、わたしの脳みそを激しく刺激する。ときどきの映画の紹介文なども、そのうちの一つだ。今回は、興味深い特集記事になっていた。原爆の父の物語である。  映画の主人公、オッペンハイマーは、米国人の物理学者。彼を有名にしたのは、原子爆弾を開...
書評・映画評

【書評】杉本貴司(2024)『ユニクロ:柳井正と同志たち、その悪戦苦闘の物語』日本経済新聞出版(★★★★)

一昨日の夕方のことである。神田小川町の事務所に一冊の本が届いていた。  表紙が真っ赤で、見慣れた白抜きのロゴ。本のタイトルは、「ユニクロ」。デザイン装丁は、佐藤可士和さん。著者は、日本経済新聞編集委員の杉本貴司さん。奥付けをみると、孫さんの...