大学院の大先輩、早稲田大学名誉教授の辻山栄子さんから、500頁を超す大著が送られてきた。献本用の包みの封を切ると、小包から飛び出してきたのは「財務会計」のテキストブックだった。学部時代に、専門科目で唯一「C」評価をもらったのが「会計学」である。簿記や会計については、いまでも苦手意識が残っている。わたしにとっては、学生時代の「トラウマ科目」だ。
辻山さんとは昨年の春に、48年振りで品川区大崎のローソン本社でお会いしている。拙著『ローソン』(PHP研究所、2025年3月)で、社外監査役の辻山さんにインタビューをするためだった。竹増社長の推薦によるインタビューの様子は、第9章「番頭さんとご意見番」の第2節「ご意見番、辻山栄子社外監査役」で詳細に記述されている(第2節は、10頁弱)。
わたしが大学院に進学した1974年ごろ、辻山さんは、東京大学大学院社会科学研究科の博士課程2年生だった。「早川(旧姓)先輩!」と、わたしは彼女を呼んでいた。賢くて”きれい目な”お姉さん。こんな風に書くと、いまではセクハラに当たるだろう。
詳細は省くが、ローソンの最近の業績好調に、社外監査役としての辻山さんの意見が大きく貢献している。わたしは、大学教授や弁護士、元官僚の社外取締役の役割について、一般的には否定的だが、辻山さんはその例外である。
さて、書籍の到着と同時に、昨日は第一章を読んでみた。この章は、「会計学(財務会計)」の入門のための章である。学部の2年次で学んだ会計学だったが、基本コンセプトがよくわからないままで終わった。難解な本を読まされた思い出がある。
ところが、辻山さんの解説は、説明が意外とわかりやすい。会計学トラウマのわたしでも、少なくとも第1部(約150頁)は、本日午前中で読み終わりそうだ。
苦手意識は、会計の勉強の仕方がわからなかっただけかもしれない。あるいは、単に良い教科書に恵まれなかったからかもしれない。午前中の読書の時間が楽しみなっている。1章から4章までは、辻山さんが担当して執筆した章のようだ。
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