【巻頭言】「(続)アパレル企業が挑む、グリーンマーケット」『JFMAニュース』2026年3月20日号

 【巻頭言】の2022年7⽉号で、「観葉植物専門店は業態として成⽴するか︖」というテーマで、アパレル企業の「バロックジャパン」(以下、「バロック」と略記)が、観葉植物の専門店「SHEL’TTER GREEN」(シェルターグリーン)を川口市のSC(アリオ)に出店したことを紹介した。現地のフィールドワークで、来店客の観察やいただいたデータから、バロックのグリーン業態がいずれ採算ラインに取るだろうと予測していた。
 シェルターグリーンの一号店は2021年10⽉のオープンで、4年後の現在は2業態で9店舗。開店当時のグリーナリー事業部の責任者は、店舗開発部ディレクターの大芦信彦さんだった。ご存知ない方のために説明すると、バロックは、アスールやマウジーなどギャル系のアパレル小売りチェーンである。
 大芦部⻑の説明によると、バロックは事業多角化の一環として、観葉植物の専門店(住)とデリカテッセン(⾷)の複合店開発に取り組んだ(デリカ部門からは撤退)。前年の2020年春に、ユニクロが切り花の販売を始めている。ユニクロフラワーの一号店は、旗艦店の銀座マロニエ店で、その後も切り花を扱う店舗は増え続けている(21店舗、2024年6⽉)。
 
 コロナ禍を契機に、日本でも花や植物を日常の生活に取り入れるライフスタイルが定着すると考えられていた。バロックが観葉植物の専門店を始めたのも、ユニクロと似たような動機からだった。バロックは、その後、新業態で郊外型の植物専門店「TUIN(チューイン)」をスタートさせた。年間2店舗の出店ペースで、現在は2業態で9店舗を展開している。植物を室内に取り入れることは、住生活のインテリア・コーディネーションである。そう考えると、アパレル従業員が室内に取り入れる観葉植物を提案することに違和感はない。
 アパレル企業のもうひとつの強みは、店舗のデザインと雰囲気づくりである。「センスのよい企画担当者がいるはずだから、これまで観葉植物を扱ってきたホームセンターのように、グリーンの売り場を「モノ置き場」にはしないだろう」とわたしは予想していた。
 
 ところで、緩やかに成⻑してきたバロックのグリーナリー事業部で、部門⻑の交替があった。他社で植物ビジネス(In Naturalなど)を⾏っていた大⽊啓史氏が、事業部⻑に就任することになった。前任者の大芦部⻑経由で、大⽊部⻑(観葉植物の共同事業企画者)にアフタヌーンセミナーで講演をお願いしている。以下は、大⽊部⻑のセミナーの予告になる。
 わたしから、大⽊さんに話してもらいたいポイントを伝えてある。以下の7点がわたしからのリクエストである。
 ① アパレル企業がグリーン産業に参入した狙い
 ② 事業開始までの経緯︓ご⾃⾝が⾏っていた仕事(In Natural)との関連。全国の店舗からグリーン部門を担う⼥性(アパレルの接客担当者)を募集したことなど。
 ③ 事業コンセプト︓祖業のアパレル事業では、「⼥性」と「⾃由」を謳っている。グリーン事業で、リサイクル事業などはどのように位置づけられているのか︖
 ④ 2つの業態のすみ分け︓現状は、9店舗で⾸都圏⽴地だが、例外は岐⾩県豊川市。
 ⑤ 仕入れと販売の⼯夫︓植物/生産者ダイレクト→卸売市場経由。用品/鉢などは、中国から調達
(SPA志向)。物流/現地仕分け、コンテナなど。
 ⑥ 売上ならびに収益改善の⼯夫︓店舗での定期的な植物体験フェア、プロモーション、価格付け、粗利改善のための⼯夫など。
 ⑦ 現状の課題とその解決方法

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