船着場のホールで、早めにエントリーが終わった。12時半。陽が陰って、涼しい風が吹いてきた。伊江島の村役場が用意してくれたテントの中で、選手たちは受付で手渡されたお弁当を食べている。
参加費3500円の割りに、おみやげが豪華である。Tシャツ、お弁当、フリー食事券500円分。そして、久米焼酎ボトル。30度、300㍉リットル。いまは飲んではいけないよね。(笑)
受付から会場までは、7、8分、熱波の中を歩く。気温27度。沖縄本島の男性ふたりと、埠頭から坂道を一緒に歩いた。
中年のともだち組は、3キロに登録していた。「お祭りだからね」。わたしが、「わざわざフェリーで島まで渡ってきて、短い距離だともったいないでしょう」とたずねると、笑ってそう答えてくれた。
兼島さん(太陽の花)の部下たちのグループも、昨夜から伊江島に泊まっている。仲間を誘って走る。やはりお祭りなのである。だから、会場の雰囲気ものんびりしている。走り終わってからが本番なのだろう。
「雑誌:ランナーズ」社長の橋本治郎さんから聞いた話。
人口当たりランナーの比率が日本でいちばん高いのは、沖縄県。人口当たり約1パーセント。小さな県なのに、フルマラソン大会だけでも3つある。ウルトラもトライアスロンも、沖縄は日本のメッカである。競技大会風のがちがちのマラソンのイメージをランナーズが変えた。米国人は、FunRun(楽しみで走る)と呼んでいた。子供連れ、家族一緒で週末を過ごす。BBQとジョギングがセットになっていた。
独立国沖縄のマラソンも、基本は米国風である。ダンスや音楽がつきものである。楽しそうだ。那覇マラソンが、全国マラソン100選の上位にランクされるわけだ。
お弁当を食べ終わったランナーたちは、テントのビニールシートに横になって昼寝をしている。走る前に食事。やや日が陰ってきてから、勇躍としてやおら走り始める。優雅である。
まだ2時間半。ナンバーカードをシャツに貼付けて、そろそろハーフの走路コースをチェックしてみようかな。また、日が照ってきた。