【巻頭言】「返礼と互恵:韓国ソウルからの訪問客」『JFMAニュース』2025年8月20日号

 6月の韓国ツアーでは、輸入商社「エーワールド」の林めぐみさんにお世話になった。3
泊4日の研修ツアーの旅行記は、帰国してからすぐに自身のウエブサイトに投稿してある
(【研修ツアー報告書】「JFMA韓国研修ツアーレポート2025」)。記事の一部について
は、2025年7月発行の『JFMAニュース』にも転載されている。

 今回訪問した中で、もっとも印象深かった企業が、花のEC会社「kukka」(ソウル市)
である。デジタルビジネス(EC60%、サブスク30%)が中心の企業であるが、その他のビ
ジネスとして、フラワーカフェやスクール事業を行っている。
 年商15億円の新興企業で、店舗を訪問した際、カフェメニューの提供のほか、自社製の
キャンドルを手土産として持たせてくれた。パク・チュナ(Jun Park)社長は、工学系の
大学院を卒業後に花事業を始めた若者である。生花と雑貨を同時に扱っていることや、理
科系出身であることなど、「花恋人」の野田将克社長と出自が似ていると思った。

 訪問の日は、夕方からパクさんとツアーメンバーで会食することになった。ソウルの焼
肉店で、わたしはパクさんと隣の席になった。彼は日本語が堪能なので、わたしの方から
韓国の花事情について追加で質問をさせていただいた。とても話が弾んで、「日本に来る
ことがあったら連絡をください。花業界の人をご紹介しますよ」と言って現地では別れた

 帰国してからすぐ(7月3日)に、「9月に日本に行く用事ができました」というメール
をいただいた。メールの文章は、上手な日本語だったが、独学で勉強したとのこと。日程
が決まったら連絡をくれるとのことだった。
 そうこうしているうちに、8月に中旬になった。連絡が来ないので、どうしたことだろ
うと思っていた。8月15日に、パクさんから短いメールが届いた。
 *  *
小川様
 いつもお世話になっております。お元気でいらっしゃいますか。前回の韓国訪問以来、
初めてご連絡差し上げます。私どもは9月1日から4日まで東京を訪問する予定です。
 もしご都合がよろしければ、私どもの日本訪問の際に、花関連の市場や企業をご紹介い
ただくことは可能でしょうか。よろしくお願いいたします。 Jun Park CEO, kukka
 *  *  
 林さんと拝野さんに連絡して、アテンドの協力を依頼した。花恋人の野田社長には、2
日の午後をキープしていただいた。パクさんとスタッフ2人を連れて訪問する店は、越谷
レイクタウン店にした。少し遠いけれど、郊外店がよいというのが野田社長の判断だった

 東京駅に戻ったら、大丸東京店(花恋人のスイーツ専門店)を案内するつもりでいる。
また、時間が許せば、有楽町か東京駅の「青山フラワーマーケット」と銀座の「ユニクロ
フラワー」も案内したいと思っている。水先案内人は、林さんと拝野さんだ。
 なお、韓国ソウルのときのお礼として、東京駅付近で会食を計画している。松島さん
(JFMA事務局長)にも声を掛けたので、メンバーは総勢8人。こんな風に接遇するのは
、アジア人の美徳だ。「返礼」と「互恵」のセレモニーである。

 

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