書評・映画評

書評・映画評

【書評】 嶋浩一郎・松井剛(2017)『欲望する「ことば」:「社会記号」とマーケティング』集英社新書(★★★★)

著者の松井剛さんから年初にいただいて、机の上に「積んどく状態」になっていた書籍。学生の課題図書にも指定していたが、ホノルルマラソンの帰りの便でようやく読むことができた。予想通りにおもしろかった。実務家と研究者が連携して、ひとつのテーマ(社会...
書評・映画評

【書評】Scott Galloway(2017), ”The Four: The Hidden DNA of Amazon, Apple, Facebook, and Google” Portfolio/Penguin

昨年10月に発売されて全米ベストセラーとなったビジネス書。『ネット勝者たちの隠れた遺伝子』とでもタイトルを付ける?著者は、ビジネススクールで教鞭をとっている現役の経営者。自らも10社の創業と経営に携わった経験のあるシリアル・アントレプレナー...
書評・映画評

【書評】 夏井睦(2013)『炭水化物が人類を滅ぼす:糖質制限からみた生命の科学』光文社新書(★★★★)

少し前にブームを巻き起こした「糖質カット」の指南書。わたしと同じ秋田県出身のお医者さんが書いた本で、ベストセラーになった。いまごろ遅れて読んでいるのは、有機農業と植物由来の食材について推奨する『植物の時代』という本を準備しているからだ。
書評・映画評

【推薦図書】 西岡健一・南知恵子(2017)『製造業のサービス戦略』中央経済社(★★★★)、杉原淳一・染原睦美(2017)『誰がアパレルを殺すのか』日経BP社(★★★★)

最近読んだ本で、推薦できる二冊を紹介します。まず後者は、ユニクロ柳井社長の「もう、”散弾銃商法”は通用しない」の箴言で話題になった本。10月度のゼミ課題図書に指定したが、学生たちからも、自らの経験に照らして賛同意見が多かった。
書評・映画評

【書評】 老川慶喜(2017)『小林一三:都市型第三次産業の先駆的創造者』PHP研究所(★★★★)

「あとがき」のない著書である。「序(文)」も驚くほどシンプルだ。社史・経営史の書き手は、事実とデータをこんな風に淡々と並べて書くものなのだ。この手法は、商学・マーケティング分野の書き手には真似ができない。同じシリーズの『中内功』(石井淳蔵著...
書評・映画評

【書評】石坂智惠美(2016)『魚屋の基本』ダイヤモンド社(★★★★)

魚屋さんの本を読んだ。読み終えてから、あとがき(おわりに)に目を通したら、友人の石川純一さんの名前を見つけた。現在、ダイヤモンド・リテイルメディアの社長さんである。本書は、石川さんが社長に就任する前に、編集者として手がけた最後の書籍だった。
書評・映画評

【書評】 森川正之(2016)『サービス立国論』日本経済新聞出版社(★★★★)

前著(『サービス産業の生産性分析』日本評論社、2014年)は、日経・経済図書文化賞を受賞している。本書は、新たに実証データ分析を付け加えて、一般向けに日本のサービス産業の姿を解説したものである。好著ではあるが「★5」に評価しなかったは、政策...
書評・映画評

【書評】 ダン・ハーバー/訳・小坂恵理(2015)『食の未来のためのフィールドノート・上: 「第三の皿」をめざして:土と大地』NTT出版(★★★★)

一年前に購入して、机に並べておいた『食の未来のためのフィールドノート(上・下)』にようやく目を通すことができた。著者のダン・ハンバーは、ニューヨークにある3つ星レストランのシェフ。穀物農家や畜産家、養殖場や育種家たちと交流を深めながら、料理...
書評・映画評

【新刊紹介】 池坊専好・矢嶋孝敏(2017)『いけばなときもの』三賢社

矢嶋さんの4冊目の著書は、生け花の御師匠さんとの対談。このところ、矢嶋さんは年1~2冊のペースで本を出している。一昨年、ゼミの課題図書に指定した『きものの森』、全国の産地と社員さんが登場する『つくりべの森』。学習院大学の伊藤元重教授との共著...
書評・映画評

【書評】石井淳蔵(2017)『中内功 理想に燃えた流通革命の先導者』PHP研究所(★★★★★)

石井先生が、戦後流通革命の旗手、中内功さんの評伝を書くとは意外だった。しかし、考えてみれば、神戸大学を退職したあと、田村教授の後任として、石井さんは流通科学大学の学長に就任している。PHPがシリーズ「日本の企業家」を刊行するとしたら、書き手...