同僚の大久保あかね先生から、献本していただいた一冊。通勤電車の往復で読み切ってしまった。おもしろいので、早速学生の夏休みの課題図書に指定した。たしか公式的に昨日の発売で、本日、出版記念パーティーが開かれているはずだ(大久保先生からの情報)。ここまで書いたのが三日前のこと。
地域活性化のプロジェクトは、全国に数百を超える事例がある。ところが、ほんとうに実績を上げることができたケースはまれなのではないだろうか。希望をもって地域活性化にチャレンジしている人たちにとって、本書は、とにかく読んでいただきたい指南書になると思う。
筆者のアプローチが優れていると思えるところは、熱海のようなかつて栄えていた衰退した街を救うには、何段階かのステップが必要だということを教えてくれていることだ。
本書の構成にしたがうと、まずは、「街のファンをつくること」(第3章)。つぎに、「街のリノベーションに取り組むこと(具体的に見えるものを作る)」(第4章)。そして、地域再生の活動を「点から面」にしていくプロセスを踏むこと(第5章~第7章)。この間に、最初のファンづくりの活動が、ビジネスにどうしたら展開できるのかを、実際に復活した街(熱海)の事例から知ることができる。
詳しいことは、わたしのまずい解説より、市来さん(たち)の実際の活動をお読みいただければと思う。どのようにして苦難の壁を乗り越えたかも参考になる。読了したあとでは、ご本人の話を聞いてみたいと思うようになるだろう。
著者の市来広一郎さんには、まだお会いしたことはない。しかし、法政大学に講師として市来さんをお呼びしている同僚の大久保あかね先生から、噂は聞いている。理科系の院生から地域起業家に転身したキャリアにも、個人的には興味をもっている。いつかお会いする機会を得たい。
現役の大学院には、先週の授業で紹介してみた。将来的に中小企業診断士になって、地域活性化の仕事をする大学院生は少なくないだろう。本書は、とても参考になるはずだ。みなさんは、どんな感想を持っただろうか?
さっそく本書を購入した大学院生もいたようだ。学部生には、本日、本書を配布することにしてある。