書評・映画評

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【書評】柚木麻子(2021)『らんたん』小学館(★★★★★)

友人の石川純一さんから、彼が車を運転しながら聞いたという小説を、わたしは紙の本で読んでみた。「音読もいいもんですよ」が、石川さんからの推薦の言葉だった。わたしには、本を聴く趣味はない。500頁の分厚い本を入手して、日曜と月曜にページめくりに...
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【書評】石井淳蔵(2024)『岡田卓也の時代:公器の理念が支えた静かなる流通革命』(★★★★★)

本書は、著者の前著『中内㓛』に続く、戦後流通革命を先導した企業家の評伝、第二弾になる。第1章「岡田ジャスコを見る二つの視点」の導き(ガイド)にしたがい、「商人思想史」と「比較企業者史」の2つの視点から、本書を読み進めてみることにした。
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【書評】恩田達紀(2024)『米国の再興戦略・分析レポート2024』日経BP(★★★★)

本書は、友人の恩田さんが書いた2冊目の米国政治経済分析レポートである。前著『米中冷戦がもたらす経営の新常識』(日経BP、2023)もよく売れていた。それに続く本書は、レポート形式での出版になった。なんと!お値段が一部で33万円!日経BP社は...
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【書評】ピーター・ターチン著/濱野大道訳(2024)『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』河出書房(★★★★★)

『日本経済新聞』の書評欄(11月23日)で紹介されていた書籍だった。気になったので、書評を読んでその日の人のうちに注文をした。実におもしろい。  本書を読めば、最近起きた2つの政治的な事象に納得がいく。米国大統領選でトランプが再選されたこと...
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【書評】永田洋幸(2024)『生成AIは小売をどう変えるか?』ダイヤモンド社(★★★+★)

残念ながら、本書を読了したが、デジタル技術としてのAIと、小売りのオペレーションの関係がよく理解できなかった。うっすらとわかったことは、AIが小売業の中で、①オペレーション(販促管理、店舗運営、発注業務など)の無駄が排除できて、②企業文化を...
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【書評】ペン編集部(2024)『蔦屋重三郎とその時代』CCCメディアハウス(★★★★)

本書の出版社元「CCCメディアハウス」の親会社は「蔦屋書店」である。CCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)の創業者である増田宗昭氏は、自社の書店を「蔦屋」と命名した。店名の由来は、江戸時代(享保、天明、寛永)に出版文化を築いた人物、蔦...
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【新刊紹介】酒井大輔(2024)『進撃のドンキ:知られざる巨大企業の深淵なる経営』日経BP(★★★★)

最近になって、PPIH(パンパシフィック・インターナショナル)に関する書籍が相次いで刊行された。そのうちの一冊が、酒井大輔氏(日経BP記者)の本書である。酒井さんは、「ワークマン」に関する書籍を数年前に執筆している。本ブログでも書評をしてい...
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【良書・紹介】白井健太郎(2023)『クックマートの競争戦略:ローカルチェーンストア第3の道』ダイヤモンド社(★★★★★)

愛知県豊橋市のローカルスーパー「クックマート」(12店舗、年商約300億円)の白井健太郎社長の本書を、なぜか買い損ねそうになっていた。本書の刊行は2023年7月。発売直前の4月30日午後15時30分に、わたしは「クックマート東脇店」(豊橋市...
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【記事紹介】「特集:世界に挑戦する日本エンタメ」『ニューズウイーク日本語版』(2024年8月13・20日号)

わたしたちの時代(1980年代)は、英語で論文を書くことが標準ではなかった。先輩たちの何人かは、海外で教員(助手や准教授)を経験して日本に戻ってきたが、その後も英語で仕事をしている人は少なかった。
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【書評】ジャック・アタリ(2020)『食の歴史:人類はこれまで何を食べてきたのか』プレジデント社(★★★★)

関西に住んでいる子供(京都、神戸)とお孫さんたち(神戸)に会いに、新幹線で小さな旅を試みた。旅行の行程は、先週の土曜日のブログ「そうだ 京都、行こう」(5月25日)で紹介した通りである。  品川発で京都着の新幹線のぞみ号に乗る前に、当初の計...