書評・映画評

書評・映画評

【感想】 私の履歴書・似鳥昭雄さん(日経新聞・まとめ記事1~30)

人間の運命など、はっきり先が見えているわけではない。経営者としての成功もかなり不確かなものだ。家具の製造小売業ニトリの創業者、似鳥昭雄さんの自伝を連休中にまとめて読んでみた。30回分を一気に読み終えて、似鳥さんの人間としての率直さと逞しさに...
書評・映画評

【新刊紹介】 矢嶋孝敏(2015)『きものの森: 作ること、売ること、着ることの経営論』繊研新聞社

友人の矢嶋さんには、数年おきで大学院で講義をしてもらっている。そのたびに、きもの業界の新しい革新の姿について語ってくれる。今回の書籍は、各論をまとめたものである。前半部分は、わたしにとっておなじみの物語と概念である。早速、6月の学部ゼミ生の...
書評・映画評

【書評】 鈴木宣弘(2013)『食の戦争:米国の罠に落ちる日本』文春新書(★★★★)

著者は、農水省の元官僚。多くのFTA(自由貿易交渉)に携わってきた。その経験から書かれた提言の書である。日本がTPP(環太平洋連携協定)への参加を表明した直後の刊行である。自由貿易の推進が、食の安全や食糧の安定供給には必ずしもプラスに働かな...
書評・映画評

【書評】三谷宏治(2014)『ビジネスモデル全史』(★★★★)

力作である。昨年末にすでに購入していたが、机の上に「積読」(つんどく)になっていた。気になっていた本だったので、学生の春ゼミ合宿でテキストにしてみた。学部生の経営学やマーケティングの勉強にお勧めの一冊である。
書評・映画評

【書評・感想】松尾雅彦(2014)『スマート・テロワール:農村消滅論からの大転換』学芸出版社(★★★★★)

このところ「★5」の書評本が続出している。評価が甘いわけではない。友人が薦めてくれるのに、当たり!の本が多いからだ。いま読んだばかりの松尾雅彦氏(元カルビー社長)の本も、坂嵜潮さんが推奨してくれた本である。わたしの最近の主張に合致していて、...
書評・映画評

【書評】辻中俊樹・桜井光行(2015)『マーケティングの嘘: 団塊シニアと子育てママの真実』(新潮新書(★★★★★)

稀代のマーケター辻中俊樹さんの近著を、多くの人たちに読むよう薦めている。拙著『マーケティング入門』(日本経済新聞出版社)の中でも、辻中作の「母系消費」や「妻方近接居住」という概念を紹介したが、どちらも辻中さんが開発した「生活日記調査」からの...
書評・映画評

【書籍紹介】 氏家健治(2014)『1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ』SB新書(★★★★)

サブタイトルは、4倍値上げしても売れる仕組みの作り方。新宿御苑前で「ケンズカフェ(東京)」を開いたシェフの著者が、ネットとクチコミを活用して、チョコレート・デザートの外販でナンバーワンになる。そのマーケティング・テクニックを明かした著書。
書評・映画評

【書評】久松達央(2014)『小さくて強い農業をつくる』晶文社(★★★★★)

本書の帯には、「自由に生きるための農業入門」とある。しかし、農業はそんなに甘くない。逆説的だが、好きなことをつらぬき、自立して農業をやるために必要なことが3つある。それは、知識と道具と仲間の獲得である。本書は、久松さんがこの3つを自分のもの...
書評・映画評

【書評】 エリザベス・L・クライン(2014)『ファストファッション:クローゼットの中の憂鬱』春秋社(無印)

新聞の書評欄で発見した。買ってしまいそうなタイトルだったが、やはり買ってしまった。「クローゼットの中の憂鬱」がサブタイトルである。「ファーストフードのように、服を買わないでおこう!」が筆者の主張である。まだ、「あとがき」と「序章」しか読んで...
書評・映画評

【書籍の紹介】 糟谷和弘(2013)『あの介護施設には、なぜ人が集まるのか:サービスを感動に変える18の物語』PHP(★★★)

「呉ベタニアホーム」の事例を書くための参考資料として読んでいる。特別なサービス分野ではないことがわかった。介護業界は、5K(きつい、汚い、危険、結婚できない、給料安い)の産業なのだそうだ。そのイメージを払しょくする18の企業(NPO法人)の...