【書評】 エリザベス・L・クライン(2014)『ファストファッション:クローゼットの中の憂鬱』春秋社(無印)

 新聞の書評欄で発見した。買ってしまいそうなタイトルだったが、やはり買ってしまった。「クローゼットの中の憂鬱」がサブタイトルである。「ファーストフードのように、服を買わないでおこう!」が筆者の主張である。まだ、「あとがき」と「序章」しか読んでいないが、本の結論は明らかだ。



 原書のタイトルは、”Overdressed: The Shockingly High Cost of Cheap Fashion” by Penguin Random House Company in (2012)である。そのまま訳すと、「安価に見えて、実は驚くほど高価なファストファッション衣料の真実」にでもなるのだろうか。ファストファッションの社会的なコストについて論じた警告の書である。
 詳しい書評は、本書を完読してからなのだが、各章のタイトルを列記しておく。本書の雰囲気がわかってもらえるだろう。なんとなく、マクドナルド攻撃やブランド批判本(ナオミ・クラインの『ブランドなんかいらない』)を推測させる。

 序章 ファッション民主主義の憂鬱
 第1章 「店を開けるくらい大量の服を持ってるわ」
 第2章 アメリカでシャツが作れなくなった理由
 第3章 高級ファッションと格安ファッションの意外な関係
 第4章 ファストファッション:流行という名の暴君
 第5章 格安の服が行き着くところ
 第6章 縫製工場の現実
 第7章 中国の発展と格安ファッションの終焉
 第8章 縫う、つくり変える、直す
 第9章 ファッションのこれから
 あとがき ペーパーバック版の刊行によせて