マクロミル社は、実は変な会社だ。杉本社長が変人だからだ(企画者は社長本人)が、毎年のお中元として奇妙奇天烈なアイテムを選んで送りつけてくる。今年のお中元は、「ゴミ袋」(10枚セット)だった。挨拶状に、さりげなく、”「過去」はごみ袋へ”と書かれている。
「マクドナルド本」を6時間、口述筆記していてやや疲れた。その休憩の合間に、アシスタントの青木がわたしに、にこにこ笑って、「あるもの」を手渡してくれた。白地に青く「過・去」(一文字が25センチ角)と、特大ゴチックのフォントで書かれた「ゴミ袋」だ。即、笑ってしまった。
だって、手渡されたわたしは、「自分の「過去」をごみ袋に捨てなさい!」と言われているみたいだからだ。でも、わたしに捨てる過去などあるかしら。思い切りがよいわたしは、すでに多くのものをごみ箱に捨てしまっている。いまさらながら、、、、
「商品説明文」の最後のフレーズがふるっている。いかにも、杉本さんが考えそうな文句だった。
この夏、捨てることからイノベーションを、そして整理整頓を、
マクロミルがお手伝いします。
イノベーションは、捨てることから生まれる。
しかし、このゴミ袋だが、自治体のよっては、ごみ回収車が引き取ってくれないかもしれない。「過去」が衆人の目にさらされる。そして、「個人情報」がゴミ袋には詰まっているからだ。
この派手なゴミ袋を、東京都23区ならば引き取ってくれるだろう。だが、千葉県や島根県では、自治体の回収ルールがきびしそうだ。まず、持って行ってはくれないだろう。
自治体指定の袋に「過去」を詰めて、夜中にこっそり捨てるしかない。廃棄のルールに縛られているから、過去を捨てるのもそう簡単ではない。
なお、マクロミルから過去にいただいたお中元は、インパクトが強い物が多い。さすが杉本さんだ。
「リストから自由に選べる文庫本」(秘書の福尾が好きな小説を選んだ!)、「マルチ手ぬぐい」(アシスタントの青木がテッシュカバーに利用)など。
青木の希望は、「過去シリーズ」で、暗い「過去」を捨てる「Tシャツ」がほしい!だった。それは、「あなたは”過去”を捨てる」と胸の部分に書かれたTシャツらしいのだが、道端で青木とすれ違う人は、たぶん目を伏せるに違いない(笑)。