ライブラリー

書評・映画評

【書評】杉本貴司(2024)『ユニクロ:柳井正と同志たち、その悪戦苦闘の物語』日本経済新聞出版(★★★★)

一昨日の夕方のことである。神田小川町の事務所に一冊の本が届いていた。  表紙が真っ赤で、見慣れた白抜きのロゴ。本のタイトルは、「ユニクロ」。デザイン装丁は、佐藤可士和さん。著者は、日本経済新聞編集委員の杉本貴司さん。奥付けをみると、孫さんの...
書評・映画評

【新刊紹介】正垣泰彦(2024)『サイゼリヤの法則:なぜ自分中心をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?』(KADOKAWA)

本書は、サイゼリヤの創業者、正垣泰彦氏の2番目の著書である。最初の本『おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』(日経BP、2011年)は、発売直後の2011年8月に、学部ゼミ生たちの課題図書に指定した。  はじめの30頁...
Research & Reports

【回答例、ダウンロード用ファイル】『TrueNorth リーダーたちの羅針盤、フィールドブック』(生産性出版、2024年)

翻訳書(小川・林共訳)『TrueNorth リーダーたちの羅針盤、フィールドブック』には、自習用の書き込みスペースが設けられています。読者のために、演習用の回答例を用意させていただきました。以下のURLから、PDFファイルをダウンロードして...
書評・映画評

【新刊紹介】三宅宏(2024)『世界はマーケティングでできている』総合法令出版(★★★★)

本書の「はじめに」で、懐かしいエピソードを見つけた。著者の三宅宏さんの師匠で、わたしも若いころにお世話になった村田昭二先生の言葉である。「マーケティングとは何か?」という根源的な問いかけに対して、慶應義塾大学(当時)の村田先生(故人)の答え...
書評・映画評

【書評、新刊紹介】江尻義久(2023)『最旬のファッション、最速の決断、最高の満足』ダイヤモンド社

2008年に、日本ショッピングセンター協会が主催するセミナーの講師として、ハニーズの江尻義久社長(当時、現会長)をお招きした。あれから、江尻会長とは15年のおつきあいになる。2009年に出版した拙著『マーケティング入門』(日本経済新聞出版社...
書評・映画評

【良書、紹介】弘中惇一郎(2021)『生涯弁護人:事件ファイル1』講談社(★★★★★)

先週、関西出張に向かう新幹線のぞみ号で、新大阪まで移動中に「はじめに」と「あとがき」を読んだ。全体の概要を把握した後で、第一章「国策捜査との闘い」(村木厚子氏)を帰路に読み終えた。壮絶ながら、筆者の淡々とした筆致に感心した。地頭がいい人とは...
Research & Reports

【寄稿文】「日本の森林を再生する:“中国木材”の環境保全ビジネス」『DIY会報』2024年新春号(No.172)

年に2回、DIY協会の会報に寄稿をさせてもらっている。協会の企画部門からは、ホームセンター業界の経営課題に関連して、マネジメントに何らかの示唆を与える論考を要望されている。ただし、今回は、いままでの原稿とは異色のテーマと内容を選択することに...
書評・映画評

【新刊紹介】山口周(2023)『武器になる哲学:人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』KADOKAWA(★★★★)

元コンサルタントが書いた哲学書である。本書は、実は哲学の入門書でもガイドブックでもない。ターゲットは、意識高い系の企業人である。わたしは学生時代に哲学書を読まなかったが、哲学がなんとなく仕事に役立ちそうだと思っていた。わたしのように好奇心か...
書評・映画評

【書評】酒井敏(2023)『カオスなSDGs、グルっと回せばうんこ色』集英社新書(★★★★)

京大の先生らしくない!なんとも下品なサブタイトルだ(笑)。たしかにSDGsの絵具17色をまぜれば、うんこ色になるだろう。それでも、中身はおもしろい。本書がおもしろい理由は、突き詰めて考えると、わたしも「SDGs」という言葉があまり好きではな...
書評・映画評

【書評】吉野源三郎(2017)『君たちはどう生きるか(新装版)』マガジンハウス(★★★★★)

宮崎駿のアニメ作品は、本書と同じタイトルが与えられている。読み方にもよるが、宮崎アニメは原作者(吉野源三郎氏)の作品や思想をなぞっているわけではない。別物である。本書の初版は、昭和12年(1937年)に刊行されている。いまとなっては確かめよ...