書評・映画評

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【書評】新雅史(2012)『商店街はなぜ滅びるのか:社会・政治・経済史から探る再生の道』光文社新書(★★★★)

本書は、「商店街」の歴史的な起源と成長・発展、および衰退のプロセスをバランスよく扱った学究的な啓蒙書である。日本近代の産物である商店街を、これほど詳細に分析した類書は存在していなかった。目から鱗の驚きの発見がたくさんあった。若き社会学者の試...
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【書評】 近藤隆雄(2012)『サービス・イノベーションの理論と方法』生産性出版(★★★★)

『経営情報』2012年9月号の書評(ドラフト)である。今回は、わが国のサービス理論研究者として著名な近藤隆雄先生の近著を取り上げてみた。近藤先生は、よくありがちな成功事例の積み上げではなく、優れたサービスの実践を理論的に解明しようと努力され...
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【報告書紹介】 藤島廣二(2011)『市場流通の2025年ビジョン』筑波書房

明後日(7月30日)、法政大学大学院で「MPS参加者ネットワーク協議会」が開かれる。基調講演の講演者が、藤島先生である。パネルの司会を引き受けたので、先生の著書を読んでいる。パネルディスカッションのテーマも、「花き流通はどう変わるか?市場流...
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【書評】 野澤清(2008)『「園学(そのがく)」のすすめ:造園を哲学せよ』東京農大出版会(★★★★)

来週(5月15日)、造園家・山田茂雄さんにインタビューをお願いしている。その予習・準備で、ご子息の山田雄太郎さんからいただいた『「園学」のすすめ』を読んでいる。「東京 森のテラス」(@世田谷区仙川)の2階事務所で見つけたご本を、たまたま拝借...
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【映画評】 「アーティスト」(The Artist)は、絶対にお薦めです(★★★★★)

連休の5月3日に、池袋の映画館で「アーティスト」を見た。サイレントの白黒映画である。この作品はお薦めである。ご存知の方もいらっしゃると思うが、第84回アカデミー賞で、5部門で最優秀賞を受賞した作品である。作品賞、主演男優賞、監督賞、衣装デザ...
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【書評】 嶋崎秀樹(2009)『儲かる農業 「ど素人集団」の農業革命』竹書房(★★★★)

信州小諸の中棚荘に滞在していた昨夏、通称「1000メートル道路」と呼ばれる農道を毎朝走っていた。浅間山のふもとの斜面を縫って走っている農道は、標高1千メートルの等高線に沿って、小諸から隣町の御代田まで続いている。すぐ先は、旧軽井沢の避暑地で...
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【書評】 渡辺米英(2012)『無印良品 世界戦略と経営革新』商業界(★★★★)

本書を、良品計画の事業の歴史と重ね合わせて読んでみた。本書の評価はなかなか難しい。というのは、無印良品の国内事業を立ち上げた創業メンバーを、個人的に知っているからである。彼らが、1990年代の起業時と2000年代の事業の転換点で苦闘していた...
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【映画評】 「MY WAY: 12000キロの真実」(★★★)

年末からの風邪が悪化して、自宅待機である。熱はないので寝込むほどではないが、本日の米沢行は見送ることにした。山形プレミアム弁当の「試作品(春バージョン)」が完成している。学生たちは評価会のために、山形新幹線つばさ号に乗っているはずである。
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【書評】 シーナ・アイエンガー『選択の科学』文藝春秋(★★★★★)

学生の課題図書に指定し、友人たちに強力に推奨していながら、本書を読み終えられないでいる(あと2章)。今年読んだ本(刊行は昨年度)の中で、もっとも印象的な書籍である。著者はビジネススクール(コロンビア大学)で教える盲目の女性心理学者。研究者と...
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【書籍紹介】 P・F・ドラッカー(1996)「第13章 組織の文化」『現代の経営』ダイヤモンド社

夏休みに中棚荘に持参したものの、いまだ机の上に放置されていたドラッカー本を、「勤労感謝の日」に読み終えた。1954年初版で、いまや経営者にとって聖典となっている『現代の経営』である。星を打つことなど無意味であろう。