ライブラリー

Day Watch

【新刊紹介】会計学は、学生時代の「トラウマ科目」(辻山栄子編著(2025)『財務会計』中央経済社)

大学院の大先輩、早稲田大学名誉教授の辻山栄子さんから、500頁を超す大著が送られてきた。献本用の包みの封を切ると、小包から飛び出してきたのは「財務会計」のテキストブックだった。学部時代に、専門科目で唯一「C」評価をもらったのが「会計学」であ...
書評・映画評

【書評】柚木麻子(2021)『らんたん』小学館(★★★★★)

友人の石川純一さんから、彼が車を運転しながら聞いたという小説を、わたしは紙の本で読んでみた。「音読もいいもんですよ」が、石川さんからの推薦の言葉だった。わたしには、本を聴く趣味はない。500頁の分厚い本を入手して、日曜と月曜にページめくりに...
Research & Reports

【寄稿文】「『野の花産業』の静かな拡大」『DIY会報』(2025年新春号) 

15年ほど前から年2回(夏と冬)ほど、「日本DIY協会」から寄稿の依頼が来る。協会の『DIY会報』に、今回はいつもとはちがうタイプの論考を書いてみた。題して、「野の花産業の静かな拡大」。ここで言う「野の花」とは、温室ではない露地栽培されてい...
書評・映画評

【書評】石井淳蔵(2024)『岡田卓也の時代:公器の理念が支えた静かなる流通革命』(★★★★★)

本書は、著者の前著『中内㓛』に続く、戦後流通革命を先導した企業家の評伝、第二弾になる。第1章「岡田ジャスコを見る二つの視点」の導き(ガイド)にしたがい、「商人思想史」と「比較企業者史」の2つの視点から、本書を読み進めてみることにした。
書評・映画評

【書評】恩田達紀(2024)『米国の再興戦略・分析レポート2024』日経BP(★★★★)

本書は、友人の恩田さんが書いた2冊目の米国政治経済分析レポートである。前著『米中冷戦がもたらす経営の新常識』(日経BP、2023)もよく売れていた。それに続く本書は、レポート形式での出版になった。なんと!お値段が一部で33万円!日経BP社は...
書評・映画評

【書評】ピーター・ターチン著/濱野大道訳(2024)『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』河出書房(★★★★★)

『日本経済新聞』の書評欄(11月23日)で紹介されていた書籍だった。気になったので、書評を読んでその日の人のうちに注文をした。実におもしろい。  本書を読めば、最近起きた2つの政治的な事象に納得がいく。米国大統領選でトランプが再選されたこと...
書評・映画評

【書評】永田洋幸(2024)『生成AIは小売をどう変えるか?』ダイヤモンド社(★★★+★)

残念ながら、本書を読了したが、デジタル技術としてのAIと、小売りのオペレーションの関係がよく理解できなかった。うっすらとわかったことは、AIが小売業の中で、①オペレーション(販促管理、店舗運営、発注業務など)の無駄が排除できて、②企業文化を...
書評・映画評

【書評】ペン編集部(2024)『蔦屋重三郎とその時代』CCCメディアハウス(★★★★)

本書の出版社元「CCCメディアハウス」の親会社は「蔦屋書店」である。CCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)の創業者である増田宗昭氏は、自社の書店を「蔦屋」と命名した。店名の由来は、江戸時代(享保、天明、寛永)に出版文化を築いた人物、蔦...
書評・映画評

【新刊紹介】酒井大輔(2024)『進撃のドンキ:知られざる巨大企業の深淵なる経営』日経BP(★★★★)

最近になって、PPIH(パンパシフィック・インターナショナル)に関する書籍が相次いで刊行された。そのうちの一冊が、酒井大輔氏(日経BP記者)の本書である。酒井さんは、「ワークマン」に関する書籍を数年前に執筆している。本ブログでも書評をしてい...
Research & Reports

【寄稿文】小川孔輔「こんな値付けの方法があったんだ!」『ビジョン(静銀コンサルティング情報誌)』(2024年8月号)

静銀コンサルティングの情報誌『ビジョン』(2024年8月号)から、「値付けについて」の寄稿を依頼された。静銀コンサルティングが、クライアント企業に配布している雑誌である。静岡市の「販売促進研究所」(杉山浩之社長)が仲介してくれた仕事である。...