ある民事裁判の傍聴@東京地方裁判所

 生まれてれてはじめての経験をした。東京地方裁判所(霞が関)での民事裁判の傍聴である。朝10時から夕方5時まで、昼休みの1時間をのぞけば、大学の講義を5コマぶっ続けで聞いていたようなものである。具体的な案件は秘匿するが、裁判を傍聴した印象を紹介してみたい。



 昨日は、この案件に関して、証人喚問が行われた。この事案に関して、わたしもある関与をしている。裁判の結果に関して直接的な利害があるわけではないが、責任上、傍聴人として立ち会うことに決めた。事の成り行きを見るためでもある。
 裁判の傍聴ははじめてである。もちろんだが、被告席にも原告席にも座ったことはない。この裁判は結審までまだ少し時間がかかりそうだ。以下は、裁判を傍聴しての印象記録である。

(1)「心証」が大切であること 
 双方(原告、被告)が主張を述べる過程で、裁判への取り組みに濃淡があった。原告側は、家族経営の会社で必死である。それに対して、被告側(大きな官僚組織)は、訴訟に勝とうが負けようが自分(個人)の生活に響くわけではない。
 おそらく、裁判官はこの立ち位置を見ていたと思う。裁判官も人間である。わたしが思っていた以上に、その場の雰囲気や心証が大切である。そのことが、判決にどのように反映するのか興味のあるところである。

(2)裁判でも事前準備が重要である
 世の中の仕事への取り組みと同じである。ビジネスや勉強と同じである。事前によく準備をしてきているかどうかは、証人のとして陳述のクオリティに影響する。
 わたしの印象では、どちらかといえば、被告人側(損害を訴えられる側)には、証人相互に打ち合わせの不足が感じられた。原告側(損失を訴える側)は、事前に齟齬がないようにきちんと打ち合わせをしてきていたようだ。実際はわからないが。

(3)裁判官は、完璧ではない
 この訴訟は、損害賠賠償請求に関する事案である。特殊な組織間での経済取引に関する訴訟だった。そのためか、尋問する側の裁判官が、特別な組織の特異な意思決定に関して、事件当時の状況をきちんと把握できていないような気がした(わたし自身は周辺事情がよくわかっているので、とくにそのように感じたのかもしれない)。
 ただし、ある裁判官の質問内容からして、今回の訴訟対象である経済取引に関して、書類を読んだだけでは完全に状況を把握することがむずかしいだろうと思う。その若い裁判官には同情したくなった。

 裁判の傍聴のあとは、心身とも疲れてぐったりした。夕方からは、大学院の夜の授業があった。これもきつかった。店舗観察の実習先は、江東区南砂町(カインズホームSUNAMO)である。帰宅は12時すぎだった。
 いまから、群馬の伊勢崎(両毛線駒形駅)に出かける。カインズホーム伊勢崎店で、女性向けカー用品のプロモーション実験である。