昨日来、世界中で株価が暴落している。日本市場が▲3.14%、上海MKTが▲5.90%、米国NY市場が▲1.47%の下落である。中国と欧州が株安の震源地とされているが、ギリシャの債務問題や中国のバブル懸念が本当の理由ではない。真相は、株式市場への新規参入組とIT技術の問題である。
要するに、日本のNISA取引など(100万円以下無税)、素人集団が新たに株取引を始めていることが原因ではないだろうか?取引形態は、デートレードに近そうだ。経済のファンダメンタルを知る知識もないままに、株式の機械的な動きだけで株を売買している。
海外に目を転じてみると、このところの上海市場の株価乱高下が象徴的だ。直感を強く確信するのは、上海市場では、春先の株ブームで約50%上昇してから(これも異常事態)、直近2週間では約35%下落している。ジェットコースターのような乱高下は、基本的に日本の素人集団によるデートレードと同じではないのか。
経済社会に関する知識不足のままに、雰囲気だけで株式を売買する。しかも、スマホで簡単に株を売買できるので、短期的な情報に振り回されやすい。
本来的に、一般人が株式取引で成功する秘訣は、長期的な視点から投資することである。短期的な要因に振り回されても、証券会社や機関投資家に情報量で勝てるわけがない。いや証券会社の専門家でさえ、短期的な勝ち負けはギャンブルだろう。いわんや素人おやである。
新規に株式市場に参入してきた若い人たちが、いまはこの基本を学習している過程だと考えた方がよいだろう。日中とも技術的な環境は同じである。短期取引を推奨するようなネット環境が整備されてしまったためだ。ただし、中国の株価変動を見ていると、かの国のひとのほうが危険度が高いように思う。