2012年度卒業式(学位授与式)@日本武道館

 院生と川村君と皇居を走ってきた。一周5Kなのだが、実際には3K程度しか走れなかった。花見で皇居の周回コースは押し合いへし合いの状態である。北の丸公園や千鳥ヶ淵の付近は、時速12~13Kではとても走れない。例年よりも桜が満開になるのが早いようだ。



 業界用語では、これを「前進開花」という。桜の花を売るわけではないのだが、たとえば、ホテルやレストランの営業には微妙に影響する。昨夜も、神楽坂で食事をしたのだが、夕方は、市ヶ谷と飯田橋の駅からは、人ごみがすごくて歩道を前進するに手間取った。

  本日は、日本武道館で学位授与式である。法政大学の卒業式は、少なくともわたしが助手で来てから40年間変わらず、3月24日である。同じく、入学式は4月3日である。これは昨年度から、午前と午後の二部制になった。
 入学式には、地方などから、ご両親、ご親族が多数お見えになる。一回だと武道館には入りきれないのである。卒業式にはそれがないので、二部制にする必要はない。

 天候は曇りで、あいにく、外はやや肌寒いようだ。このところ、卒業式ではふたたび、袴姿の女性が増えてきている。ハレの日に、伝統的な和服で過ごす習慣への回帰である。グローバリゼーションが進めば進むほど、国民は日本文化に回帰する。
 諸外国との衝突の緊張感から国民の気持ちを解放させるために、人々はそのよりどころを日本的なものに求めることになる。世界中の独立民族に、例外はない。わたしが10年前に予測したことが、いま目の前で起こっている。
 伝統的な日本文化の尊重と、密かなるナショナリズムの台頭である。経済的な苦境に落ちさえしなければ、ファシズムへ流れなければ、それ自身は悪いことではない。

 学位授与式あとは、パーティーの3連荘である。
 13時から、市ヶ谷のアルカディアで、大学院の学位授与パーティー。そのあと、17時からは、大学院小川・平石ゼミのお別れ会である。
 19時からは、学部生の送別会になる。ダブルヘッダーになるので、学部生には時間をずらしてもらった。この時間になると、女子学生たちは借りた衣装を返却しなければならない。着付けは時間制になっている。着替えてからの参加になるのだろうか?
 
 今年度は、わたしの研究時間を学部生のフィールドワーク(4社)と院生のプロジェクト研究(4人)にずいぶんと投入した。大学院の授業のために、例年にも増して多くの時間を費やしていた。
 学生にすれば、お買い得な一年だったと思う。過去の卒業生たちからは、羨ましがられていることを忘れないでほしい。来年度からは、これほど教育に投資する時間がなくなるかもしれないからだ。

 多くの提携先(企業、個人、団体)からは、わが学生たちには高い評価をいただいている。法政大学のゼミ教育のプログラムが、企業にとって有意義なヒントを生み出している。
 学生の努力や企業の協力があって成り立っているプロセスなのだが、両者(企業と小川研究室)がウインウインの関係を維持できていることは幸せなことだ。
 と言っていると、またしても予定している本を書かずに、来年度も教育に時間を多投入してしまいそうだ。