書評・映画評

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【文献紹介】今泉晶(2016)『農業遺伝資源の管理体制』昭和堂

植物遺伝資源(種子)に関するアカデミックな研究書である。植物(種子)の多様性を維持するために、農業者が種子を自由に利用できる権利をどのように守ることができるのか。採種=所有権と種子の調達権について、フィールドワークをもとに考察がなされている...
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【書評】日本経済新聞社編(2016)『さらばカリスマ:セブン&アイ「鈴木」王国の終焉』日本経済新聞社(★★★★)

新聞記者4人が共同執筆したドキュメンタリー。鈴木敏文氏が、セブン&アイの会長を辞任した直後に出版されて話題になった本。鈴木氏に批判的な記事を書くことがなかった日経が、セブンの内情をよく知っていただけに、いつかは書きたかった内容なのだろう。
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【書評】エレツ・エイデン&ジャン=バーティースト・ミシェル(2016)『カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する』草思社(★★★★)

原題は、Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture。文化的な構築物(言語、発明、有名人、事件など)が、どのように登場し、どのように有名になり、どんなタイミングで消えていったのか。歴史や文化を...
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【書評】森岡毅(2016)『USJを劇的に変えた、たったひとつの考え方』角川書店(★★★★)

副題が、成功を引き寄せるマーケティング入門。USJは、『新潮45』でTDRの記事を書くために遊びに行った。何でもありの遊園地(コンセプトに一貫性がない)で、なんでも高い!それでも客は減らない。だから、このパークの指揮官はきわめて有能なのだろ...
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【書評】石井良明(2016)『成城石井の創業:そして成城石井はブランドになった』日本経済新聞出版社(★★★★★)

創業者の石井さんは、創業から30年で現役を引退している。2004年に「レインズインターナショナル」(牛角)に事業を売却して、すでに12年が経過している。ところが、時代が劇的に変わっているのに、成城石井のオリジナルコンセプトはいまだに光り輝い...
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【書籍紹介】 「シリーズ・いま日本の農を問う(3)」(2015)」『有機農業が開く可能性:アジア、アメリカ、ヨーロッパ』ミネルヴァ書房(2015年)

友人・知人たちが、このシリーズに寄稿している。日本の農業、とりわけ有機農業を中心に、戦後の農政と民間での農業への取り組みを紹介したシリーズである。昨年12月の段階で、9册が刊行されている。その中から、最初の1冊を取り上げてみる。二冊目(6と...
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【書評】 中尾佐助(1966)『栽培植物と農耕の起源』岩波新書(★★★★★+★)

本書を読了してから、2012年に復刻になった『料理の起源』(吉川弘文館)を発注した。本書があまりにおもしろかったので、復刻版の到着が待ち遠しい。50年前に書かれた本とはとても思えない。これほど鮮度が落ちない本も珍しいのではないだろうか。
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【書籍紹介】井田徹治(2010)『生物多様性とは何か』岩波文庫(★★★★)

直感的に正しいと思っていることのひとつに、「生物(種)の多様性」の確保がある。ただし、科学的に証明したデータを見たことがなかった。なぜ人間や地球にとって生物の多様性が必要なのか。ロジカルな説明が必要とは感じていたが、論理的に詰めて考えたこと...
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【書評】ランド・ポール/浅川芳裕訳(2015)『国家を喰らう官僚たち:アメリカを乗っ取る新支配階級』新潮社(★★★)

表紙も帯も(苦笑)小川先生の本並みにセンセーショナルだ。自由の国アメリカで、官僚が新しい支配階級になりつつある。「国家の略奪行為だ」と現職上院議員ランド・ポール氏が激白している。官僚国家に成り下がってしまった米国への警鐘と、市民の自由侵害に...
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【書評】 岩井克人(2015)『経済学の宇宙』日本経済新聞出版社(★★★★★+★)

こんなにおもしろくて知的好奇心を刺激する本は、この何十年か読んだことがない。無味乾燥な学問だと感じたので、20歳の時に経済学を専攻することをやめて経営学に転じた。マルクスは、イデオロギー的に過ぎて嫌気がさした。新古典派の経済学は、単なる数学...