10月1日の『日経MJヒット塾』研修説明会の講演レジュメを掲載する。タイトルは「食のビジネスモデル:革新の本質(レビュー)」である。場所は、東京駅隣接のオアゾビル(丸善が入っているビル)。
『日経MJヒット塾』研修説明会(ミニ講義レジュメ) 2013年10月1日
「食のビジネスモデル:革新の本質(レビュー)」
法政大学大学院 小川孔輔
1 食ビジネスの革新の源泉はどこにあるのか?
(1)海外ビジネスの移転・模倣
・マクドナルド、RF1(ロック・フィールド)、すかいらーく
(2)場の生活感覚(食べ方の提案、新しい場の提供)
・ABCクッキングスタジオ(後述)、ヤオコー(惣菜のインストア加工)
(3)技術革新
・カップヌードル、味の素、
(4)立地革命
・すかいらーく(郊外立地)、RF1(百貨店の総菜売り場)、
・ABCクッキングスタジオ(SC出店、専門店ビル)
(5)価格破壊
・サイゼリヤ、吉野家、あきんどスシロー
(6)原材料の調達加工
・サイゼリヤ(海外工場、国内農場)、
(7)経営の方式(ビジネスモデル・イノベーション)
・3つの事例
2 伝統的なビジネスモデルの置き換え(ABCクッキングスタジオ)
(1)旧モデル
・伝統的な料理学校(○○調理師専門学校)
①サービス提供方法:スクール形式の授業
②目的:料理技能の向上
③受講方法:月謝制、能力別クラス編成
④その他、製品サービス志向
(2)新モデル
・ABCクッキングスタジオ
①サービス提供方法: テーブルを挟んでの授業(最大生徒数5人)
②目的: 料理の楽しさ
③受講方法:回数券制、種目別カリキュラム
④その他、マーケティング志向
(3)技術イノベーションの取り入れ方
3 新しい市場の発見(RF1)
(1)「未来サラダ・カンパニー」
・ロック・フィールドの沿革
(2)革新のスタート
・オーナーシェフが食のプロデューサーになる
・百貨店の総菜売り場を開拓
(3)中食市場という成長機会の発見
・ブランド拡張
「RF1」「神戸コロッケ」「融合」「ベジテリア」など
(4)製品・物流改革
・農場から直接調達、工場兼物流センター、HACCP取得
(5)コンセプト・イノベーション
・Think Food! The Salad Company
4 本研修会で取り上げる事例
(1)俺のフレンチ、イタリアン、やきとり、割烹
・ビジネスモデル・イノベーションの本質
①優秀なシェフの「再活用モデル」
②飲食ビジネスに「経験効果」を組み込む
③差別化戦略=「個店経営」の強み
④集中出店=「地域ドミナント戦略」
(2)セブンゴールド「金の食パン」
・CVSのプレミアムPBライン
(3)フィリップス・エレクトロニクス・ジャパン
・調理技術のイノベーション創出
(4)相模屋食料「ザクとうふ」
・成熟市場における製品リデザイン