「テレビは見られているのか?: 音声でテレビを”見る”、現代の熟達した視聴者たち」(日本マーケティングサイエンス学会での発表要旨@電通、12月8日)

 来月8日、東京汐留の電通ホールで、共同研究の成果を発表する。テレビ視聴に関する3年がかりのリサーチである。共同研究者は、岩崎氏(日テレ)、中畑氏(朝日大)である。メディア環境の変化の中で視聴実態がどのように変わっているのか?そのことが、広告主やテレビ制作サイドにどのような影響を与えているのか。

 視聴に関するアンケート調査や視聴率データは、世の中に掃いて捨てるほどある。NHKをはじめとして、テレビの視聴習慣や意識についての長期調査など、データは山ほどある。
 しかし、案外に知られていないのが、「テレビはどのように見られているのか?」についての調査である。テレビの電源がオンになっていたとしても、生活者は画面を見ていないこともある。その可能性についての指摘はあっても、実際の視線が画面に向かっているのかどうかは、いまだにきちんと証明されたことがない。

 結論を言ってしまう。
 「テレビはまちがいなく見られていて、CMや番組の内容はきちんと理解されている」。そうなのだが、「視聴者の目線は、かなりの率でPCやスマホに奪われている(実証データ)」。そして、「テレビの視聴行動は、番組やCMの中に挿入される”音声”をきっかけに、コントロールされている」。

 弟子たちとのテレビメディアの視聴研究は、実におもしろい。さまざまな実証実験では、日本初の調査にトライしてみた。ハイテク目線計測(計測機器を利用)や参与観察(ビデオグラフィー)。合計5本の調査を積み重ねてきた。
 今回、「日本マーケティングサイエンス学会」@電通(12月8日)で、その成果発表をすることになる。
 学会発表ではあるが、一般にも聴講の機会が開かれている。興味を持たれたブログ読者も、学会に参加することができる。

 汐留の電通ホールにいらっしゃいませんか?法政大学(小川研究室)が今回は当番校です。お声を掛けてください! 連絡は、いつものように、小川研究室まで。