「いま買わなきゃソン!」―そんな気持ちにさせられて、ついサイフを開いてしまう人。
「いまスグ買わなくてもいい」―欲しい衝動をこらえて、サイフのヒモを緩めない人。
その違いはどこにある?限定品に弱いタイプの心理を分析した!
「いまだけ」「先着○名まで」…のフレーズはいったいどこまで効果がある?
「限定10名様まで」「本日限り」の宣伝文句に誘われて、ホントはそれほど欲しくないのに買ってしまうことは誰でもありますよね?
人はなぜこうした「限定」フレーズに弱いのでしょうか?
その説明をする前に、まずは限定品商法について解説しましょう。限定販売は5つのタイプがあります。代表的なのが「期間限定」と「数量限定」。「今シーズン限り」や「先着100名まで」という売り方がこれに当たります。ご当地でしか買えないお菓子など「地域限定」もよく見かけます。
ネット時代に入り「チャネル限定」も目立ちます。以前から「○○店のみの取り扱い」というチャネル限定はあったのですが、ネットショッピングが普及したことで、ネット限定の売り方が増加。
5つ目は「顧客限定」。会員制スーパーなどに見られるように、これも顧客限定の一種といえます。
いずれのタイプも共通して、「ティ―ジング」(お客をくすぐる、じらす)効果があります。あえて限定することで購買までのハードルを高め、商品を手に入れたいという欲望を増大させるのです。
ただし、限定だからといってすべての消費者が欲しがるわけではありません。
限定商品に弱いタイプが実験でわかった!
小川先生の研究室の大学院生がフィギュアとお菓子の限定品を使って調査したところ、限定品を好む人には特徴があることがわかりました。まずは、女性であること。これはおそらく買い物の知識や経験が影響していると考えられます。男性は買い物に慣れていないため、安全・安心を求めてブランド品を選ぶ傾向があります。一方、買い物に慣れている女性が求めるのは刺激や変化。限定品はそうしたニーズにぴったりです。
パーソナリティ項目では、「自己独立因子」と「集団同調因子」が強いこともわかりました。前者は、他の人に束縛されず自分の意思で物事を決めていく性格を示しています。自分は何かに流されるのではなく、きちんと自分で物を選んでいるという意思表示が、限定品購入という行動になって現れているといえます。
後者の集団同調因子の強い人は「みんなと同じがいい」という性格で、自由を好む性格とは逆に思えます。ただ、本当に独自の物を望むなら、限定品ではなく別商品を選ぶはず。独立因子と同調因子が高いのは、「みんなも持っているが、その中で特別なものが欲しい」という心理を示したものといえるでしょう。
ちなみに日本人は限定品に弱いのは、「集団同調因子」が高いからだと考えられます。