欧州ツアー#2:日本再発見@メゾンエオブジェ

 昨日(22日)は、パリ郊外のメゾンエオブジェを訪れた。ほぼ二年置きに来ているデザイン見本市である。会場のレイアウトはすっかり覚えてしまっている。年二回の開催で、今年冬のテーマは、やさしい狂気(クレイジー)だそうだ。世界が不景気でも、明るく行こう!というわけだ。


会場では、毎年、日本から出展している企業に会う。岐阜県の貝印(英字社名は、KAI)。プロ用の包丁類などの刃物を展示している。漢字で、「関の孫六」マークのブランドである。もしかすると、ドイツのゾーリンゲンより製品的には格上かもしれない。刀鍛冶の歴史から生まれた企業だ。ブースでは、包丁の切れ味を見せるために、寿司職人を雇っている。毎年、髭のおじさんから、わたしたちは寿司を握ってもらう。今年は、平目にかっぱ巻き。日本よりおいしいかもしれない。パリは寿司とアニメ漫画ブームだ。ホテルのレストランでは、宮崎アニメのこくりこ坂が、上映されている。

 今年の会場では、富山県高岡市の能作(のうさく)という金属溶解業に出会った。4代目社長の能作克治さんは、仏具のメーカーの跡取り息子。ジェトロの支援で、3年前から、続けてメゾンに出展している。日本のデザイン技術を輸出する国家プロジェクトの一環だ。錫製の酒杯や、可塑性のある錫のバスケットを展示している。銀座松屋にも店を出しているらしい。デザイン的にも優れている製品だ。ぐにゃぐにゃ曲がる酒杯は、30ユーロだ。
出展してから3年目で、ようやく引き合いが出てきたらしい。欧州のセレクト系のショップのバイヤーさんが買ってくれる。

 不思議なことだ。フランスやドイツの展示会で、日本の技術のすばらしさに出会う。帰国したら、松屋に寄ってみよう。