2011年度大学院IM研究科「マーケティング論」授業スケジュール

 2011年度「マーケティング論」の授業運営スケジュールをアップします。今年度は、5人の方をご招待します。ヤオコー川野会長、カインズ中島部長・萩原部長、小岩井乳業の小川典子マネジャー、ウエザーニューズ草開社長です。そのほかに、サプライズゲストもおります。

 IM研究科・2011年春学期「マーケティング論」   (暫定版 5月12日配布予定)

Ⅰ 授業と事前アナウンスメント
1 授業の基本方針
 IM研究科の大学院生のために、
(1) マーケティングの基本的な概念と枠組みを講義する。
 それだけではなく、基礎概念の応用力を高めるために、
(2) 「事例に基づくクラス討議」(「テーマ討議」と「ミニ事例」)、
(3) 「基礎文献の個人発表」(資料ディジタル配布:一人10分以内)、
(4) 「特定課題によるフィールドワーク(グループ)」、
(5) 「外部講師による講演と討議」
 を準備することにした。

2 授業運営の仕組み
(1)「通常のレクチャー」:
  ・14回分の<基礎講義>が準備されている。基礎概念を、講義1~講義14で学ぶ。
  ・それに加えて、特論1~特論2が用意されている。
(2)「事例に基づくクラス討議」:
  ・毎日何らかの事例をとりあげて、クラス討議を行う。
  ・既存文献(配布資料)の中から、ミニ事例(1)~(5)をとりあげる。
  ・大きなテーマ事例については、テーマ討議(1)~(5)とする。
(3)「必読文献の個人発表」
   ・  各講義について、講義テーマに関連した<必読文献>を指定して配布する。
  ・ 最初の授業で、各自に要約発表を担当する文献を割り当てる。
  ・ 5月12日(文献・討議資料)に、必読資料を配布する(今年は電子的に配布)。
(4)「特定課題によるフィールドワーク(グループ)」
  ・ 本年度は、「商品開発」(カインズホーム、松川弁当店)をテーマに、店頭観察と
   マーケティング調査を実施する。作業チームを編成し、フィールドワークを実施する。
(5)「外部講師による講演と討議」
  ・ 5人の外部講師(ひとりは皆さんの先輩)にレクチャーをお願いする。
  ・ なるべく、今進行中の”生きた事例”による討議を行いたい。

3 テキスト・参考図書(順不同)
 全体のテキストは、
 小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社。
 各章ごとに、以下の参考図書を使用する。

<テキスト>
(1)小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社(講義#と章が対応)
(2)和田・恩蔵・三浦(2003)『新版:マーケティング戦略』有斐閣
(3)嶋口充輝他編(1998~1999)『マーケティング革新の時代(1)~(4)』有斐閣
(4)フィスク他(2005)『サービス・マーケティング入門』法政大学出版局
(5)渥美俊一・桜井多恵子(2010)『チェーンストアの商品開発』ダイヤモンド社
(6) ウズニエ他(小川・本間監訳)(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン

<参考書>
(1)嶋口光輝編(2003)『仕組み革新の時代』有斐閣
(2)ブラットバーグ他(2003)『顧客資産のマネジメント』ダイヤモンド社
(3)カーン/マッカリスター(2001)『グローサリー・レボリューション』同文館
(4)井上哲浩編(2007)『WEBマーケティングの科学』東洋経済新報社
(5)小野譲司(2010)『顧客満足の知識』日経文庫
(6)小川孔輔(2011)『新版:ブランド戦略の実際』日経文庫(9月予定)
(7)上田隆穂(2003) 『ケースで学ぶ:価格戦略』有斐閣
(8)石井淳蔵・水越康介編(2006)『仮想経験のデザイン』有斐閣
(9)小川孔輔編(2003)『ブランド・リレーションシップ』同文館出版
(10)小川孔輔・酒井理編著(2007)『有機農産物の流通とマーケティング』農文協
(11)大石芳裕(2009)『日本企業のグローバル・マーケティング』白糖書房
(12)デービッド・アーカー(2009)『シナジー・マーケティング』ダイヤモンド社
(13)住谷宏編(2008)『流通論の基礎』中央経済社
(14)渥美俊一・桜井多恵子(2007)『ストコンパリゾン』実務教育出版
(15)懸田・住谷編(2009)『現代の小売流通』中央経済社
(16)田中洋(2010)『大逆転のブランディング』講談社
(17)ビデオリサーチ編(2009)『広告効果の科学』日本経済新聞出版社
(18)ダンカン、ワッツ(2004)『スモールワールド・ネットワーク』
 阪急コミュニケーションズ
(19)木下裕子編(2006)『Branding in China』東洋経済新報社
(20)小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館
(21)青木幸弘編著(2011)『価値共創時代のブランド戦略』ミネルヴァ書房

<実務家の書籍>
(1)柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
(2)池内計司(2009)『「つらぬく」経営』エクスナレッジ
(3)志村なるみ(2010)『ABC Cooking Studio
 女性の心をつかむブランディングの軌跡』朝日新聞出版
(4)梅澤伸嘉(2006)『グループダイナミックインタビュー』同文館出版
(5)四方啓暉(2010)『リッツ・カールトンの究極のホスピタリティ』河出書房新社
(6)原田泳幸(2008)『ハンバーガーの教訓』角川書店
(7)徳江・小川(2010)『オーガニックデータブック2010-2011』OMR報告書

4 成績評価:
以下をほぼ同等に案分して成績を評価する
 ・授業内の発表・出席(報告、討議への参加発言)
 ・ グループレポート(事例発表、コメント、最終報告)
 ・ 個人レポート(課題別テーマ)

Ⅱ 授業運営スケジュール

1―1 5月12日(1時限) 「講義1:マーケティングの基礎概念」(*第1、3章)
  <必読文献> 嶋口「序章 仕組み革新の時代」
 <必読文献> レビット(2001)「マーケティング近視眼」

1-2 5月12日(2時限) 「テーマ討議1:ユニクロとハニーズの中国事業」
  <討議資料> 小川孔輔(2003)「中国へのブランド移転物語」 その他数点
小川孔輔 個人HP、ユニクロとハニーズに関連した記事
ファーストリテイリング執行役員会配布資料(上海・優衣庫)
  <参考図書> 柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
  <参考資料> 藤原秀次郎(2009)「チェーンストアとしてのしまむらの成長」

2-1 5月19日(1時限) 「講義2:マーケティングの歴史」(*第2章)
  <必読文献> テドロー(1993)「アメリカにおけるマスマーケティングの形成」
  <必読文献> 堀越比呂志(2005)「戦後マーケティング研究の潮流(1)(2)」
  <必読文献> 竹内(1999)「商品開発におけるミニチュアリゼーション戦略」

2-2 5月19日(2時限) 「特別講義1:フラワーバレンタイン2011年」
     特別講師: 小川典子氏 ((株)小岩井乳業)
* 本講義は、<ミニ事例1>の課題となる
  <必読文献> JFMA編(2009)『お花屋さんマニュアル』誠文堂新光社 
  <必読文献> 小川典子他(2011)「フラワーバレンタイン2011年(報告書)」
   報告書の記事をダウンロードすること(FVサイトから)
  <参考資料> 小川個人ブログ記事(フラワーバレンタインの記事 ダウンロード)

3-1 5月26日(1時限) 「講義3:マーケティング戦略の構築」(*第3、6章)
  <必読文献> 新宅(2000)「先端技術産業における競争戦略」
  <必読文献> 岡本(2003)「技術のブランディング」

3-2 5月26日(2時限) 「ミニ事例2:池内タオル」
  <必読文献> 頼・小川(2009)「環境配慮にこだわる価値創造:池内タオル(株)」  
  <討議関連資料> 小川HP(池内タオル) その他は、自分で収集のこと

4-1 6月2日(1時限) 「特論1:ブランド戦略」(*第16、18章)
  <必読文献> 青木幸弘(2011)「序章:ブランド論の変遷」
    青木幸弘編著(2011)『価値共創時代のブランド戦略』ミネルヴァ書房
  <参考図書> 小川孔輔(2011)『新版:ブランド戦略の実際』日経文庫

4―2 6月2日(2時限) 「テーマ討議2:中小企業のブランド戦略」
  <必読文献> 辻宏明(2006)「㈱藤栄 コーポレート・アイデンティティ
   コンサルテーション、小川孔輔『ブランディング・ケースブック2006』

5-1 6月9日(1時限) 「講義4:マクロ環境の分析」(*第4章)
  <必読文献> カーン・マッカリスター(2000)「第9章:購買カテゴリーの決定」
     同じく「第10章:購入ブランドの決定」

5―2 6月9日(2時限) 「講義5:消費者行動と顧客の分析」(*第5章)
  <必読文献> 小川(2005) 「バラエティシーキング行動モデル」
  <必読文献> ザルトマン(2005)「第8章:壊れやすい記憶」

6-1 6月16日(1時限) 「講義6-1:マーケティング・リサーチ(1)」
  (*第7章)
  <必読文献> 小川(2009) 「第7章 マーケティング・インテリジェンス」
  <必読文献> 小川(2009)「現代マーケティングにおける情報インフラと
   情報コンテンツ」『マーケティング・リサーチャー』

6-2 6月16日(2時限) 「ミニ事例3: スタジオ文化論」
  <参考図書> 志村なるみ(2010)『ABC Cooking Studio
   女性の心をつかむブランディングの軌跡』朝日新聞出版
  <必読文献> 田中洋(2010)「料理をエンターテインメントに」
  <参考資料> 小川のブログ記事(スタジオ文化論 2010年)

7-1 6月23日(1時限) 「講義6―2:マーケティング・リサーチ(2)」
  <必読文献> 小川(2006~2008)「マーケティング・フィールドノート」
   『チェーンストアエイジ』(コラム連載記事18回分)  
  <必読文献> 長崎(2003)「ブランド管理におけるパッケージ戦略」

7-2 6月23日(2時限) 「特別講義3:何屋になるのか? ヤオコー成長の軌跡」
     特別講師: 川野幸夫((株)ヤオコー、代表取締役会長)
  <参考図書> 小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館    

8-1 6月30日(1時限) 「講義7:製品開発のプロセス」(*第8章)
  <必読文献> 竹内・野中(1999)「ラグビー方式による新製品開発競争」
  <必読文献> 梅澤(2006)「第1章、第2章」『グループダイナミックインタビュー』

8-2 6月30日(2時限) >「特別講義2:チェーンストアの商品開発」(*第8章)
<特別講師:中島氏((株)カインズ カー・アウトドア部 部長)
    萩原氏((株)カインズ グリーン・ガーデン部 部長)
   * この事例は、「フィールドワーク課題1」の題材となる
  <参考図書> 渥美・桜井(2010)『チェーンストの商品開発』
  <参考資料> 土屋裕雅・小川孔輔(2009)「カインズ、ブランド化へのチャレンジ」

9-1 7月7日(1時限) 「講義8:新製品の普及と予測」(*第9章)
  <必読文献> 小川・林(1998)「米日間でのマーケティング技術の移転モデル」
  <必読文献> ウズニエ他(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン柳原
  <参考図書> ダンカン・ワッツ(2004)『スモールワールド・ネットワーク』

9-2 7月7日(2時限) 「テーマ討議3: 中国へのブランド移転」
               (事例:上海錦江麒麟食品有限公司)」
  <必読文献> 小林厚(2007)「キリンビバレッジ中国の飲料事業」
            小川孔輔『ブランディング・ケースブック2006』所収
  <必読文献> 阿久津(1999)「異文化へのブランド移植」
  <必読文献> 中野目純一(2009)「新興国でのブランド構築」
  <参考図書> 木下裕子(2006)『Branding in China』東洋経済新報社)

10-1 7月14日(1時限) 「特論2:サービス・マーケティング」(*第17章)
  <必読文献> フィスク他(2005)『サービス・マーケティング入門』
  <必読文献> 小野(2010)「第1章、第2章」『顧客満足の知識』日経文庫  
  <必読文献> 藤川(2008)「サービス・ドミナント・ロジック」

10-2 7月14日(2時限) 「特別講義4:気象情報提供ビジネスにおけるサービスのイノベーション(仮)」
     特別講師: 草開千仁氏((株)ウエザーニューズ代表取締役社長)

  <参考図書> 石橋博良(2000)『世界最大の気象情報会社になった日』講談社
  <ミニ事例4> 「JCSIを中小企業に適用する」
  <必読文献> 南・小川(2010)「日本版顧客満足度指数の開発」

11-1 7月21日(1時限) 「講義9:価格づけの理論」(*第10章)
  <必読文献>  上田(2004)「価格・プロモーション戦略体系と新しい動向」
  <必読文献> 田中洋(2010)「新たな価値創出への挑戦:マクドナルドのV字回復」

11-2 7月21日(2時限) 「講義10:価格決定の実務」(*第11章)
  <ミニ事例5> 「マクドナルドに学ぶ、華麗なる撤退の研究」
  <参考資料> 『日経ビジネス』など、マクドナルドの店舗閉鎖に関する記事
  <参考文献> 上田(2003)「日本マクドナルド:スケールメリットを追求する」
  <参考資料> 小川(2009)マクドナルド原田CEOについてのHP

12-1 7月28日(1時限) 「講義11:広告宣伝活動」(*第12章)
  <必読文献> 木戸茂(2009)「第8、9章」『広告効果の科学』
  <必読文献> 岩崎・小川(2008)「テレビ番組の価値マップ」

12―2 7月28日(2時限) 「講義12:セールス・プロモーション」(*第13章))
  <必読文献> 小川・前野(1999)「景品付きプロモーションの意外」
  <必読文献> 大槻(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化」

13―1 8月4日(1時限) 「講義13:代替的チャネルの選択」(*第14章)
  <必読文献> 小林(2004)「流通・営業戦略の新視点」
  <必読文献> 住谷宏(2008)「第1章 流通の役割、第2章 流通の主体と客体」
    『流通論の基礎』中央経済社

13-2 8月4日 「講義14:小売業の経営と店頭管理」(*第15章)
  <必読文献> 南・森村(2009)「リテイル・マーケティングにおけるサービス・
    エンカウンター革新」『季刊マーケティング・ジャーナル』
  <参考図書> 小川(1999)『マーケティング情報革命』
  <必読文献> 野島美保(2007)「デジタルコンテンツの顧客満足度曲線:
            オンラインゲームの事例分析」井上編所収

14-1 8月11日 「フィールワーク課題発表会」(@101)
  
課題1 カインズの商品開発(2分野からの選択)
課題2 松川弁当店(事業展開と商品企画)

14-2 夏休みの宿題 (テーマ討議4)
   「日本の有機農産物市場にMWO(70%オーガニック基準)を提唱する」(*第18章)         
  <必読文献> 小川(2007)「食のSPF」『チェーンストアエイジ』2月15日号
  <参考図書> 小川他編著(2007)『有機農産物の流通とマーケティング』農文協
  <参考図書>  徳江・小川(2010)『オーガニックデータブック2010-2011』

Ⅲ 必読文献一覧

  <参考文献・資料>などは、添付のエクセル表を参照