日本ポインセチア協会の依頼で実施した「ポインセチアのためのマーケティング」の講義録をアップしておきます。この講演は、去る2010年11月16日に、フラワーオークション・ジャパン(FAJ)の会議室で行われたものです。
0 はじめに
須永さんからいただいたテーマ課題は、 「ポインセチアはその特性として、消費者のすそ野が広く、毎年クリスマスの頃になると多くの人が買い入れる習慣性のある植物であり、園芸の初心者も買える商品で園芸普及への導入植物であるといえます。ですが、花色が赤中心で変化に乏しく、消費者にあきが来ているように思えるので、どう解決するか。が、問題点としてある。」
1 マーケティングとは何か
資料1(拙著『マーケティング入門』第一章から)
「誰に、何を、どのように」を決定すること
そのために、STP + M を企画すること
ポインセチアだと、 + 「いつ」のタイミングで、が加わる
2 マーケティングはなぜ必要か
資料2(拙著『マーケティング入門』第2章から)
『もしドラ』を参考にするとよい。
ドラッカーの言葉、
経営の本質は、 「顧客創造」である。
経営の要諦は、 「マーケティング」 + 「イノベーション」
3 海外や日本では、切り花や鉢花を売るためにどのようなマーケティングをしているか?
(1)商品化デザイン
事例1:デンマークの事例
商品 = 植物 + 園芸資材
+ 売場づくり(提案) + 物流
(2)市場関係者、買参人へのマーケティング
・「トレード・マーケティング」と呼ばれる活動
・相手の組織の向こう側に、「消費者」が存在する
・基本的には、「派生需要者」である。
だから、あくまでも、「消費者思考(志向)」で
(3)売り場での消費者へのマーケティング(売り場作り)
・マーケティングの企画(計画)の基本
・活動のポイントは、
① 消費者の「認知」を高める
② 商品の「理解」を得る
③ 「好き」になってもらう
④ 店に足を運んでもらう
⑤ 商品を、実際に「手にとって」「買って」いただく
⑥ 「繰り返し」買っていただく
(4)大衆へのマーケティング(メディア戦略)
後述 = 「マスマーケティング」の仕組みを作る
4 マーケティングのための資金をどう調達するか
事例1: オランダ花き協会
生産者からの集金(市場経由)
事例2: コロンビアフラワー協会
輸出協会の集金システム(支出)
事例3: 米国フラワー振興協会(FPO)
コロンビア生産者から+国内地域生産者
事例4: フラワーバレンタイン推進委員会(日本)
各団体を集約したボランティア団体
(実際的には、「JFMA」が組織した販促活動)