屋台といえば、焼きイモやタコ焼きが思い浮かぶ。が、最近では餃子や韓国料理、生花…など、新たなバリエーションも。脱サラして始める人も多いとか。屋台の商売って、ホントに儲かる?
小資本でカンタンに稼げそうな印象があるが、はたして実際のところは…
お昼どきになると、オフィス街で見かける弁当の移動販売。価格も手ごろで、ランチ難民には心強い味方だ。でも、屋台が出るのはランチタイムだけ。短時間でどれだけ儲かるの?
「弁当の移動販売の多くは、屋台が本業ではないんです」
と明かすのは小川孔輔先生。
「お昼だけ弁当を売っている屋台は、飲食店との兼業が中心。調理設備をクルマに設置する費用がかからず、店舗での午前中のアイドルタイムを利用して作り置きするため、調理設備や人件費など、もともとの固定費が割安になる。だから、短時間でも利益が出るのです。2時間の屋台販売で2万円の売上が見込めれば、店舗でお客さんを待っているより効率よく儲けられます」
1日の売上が10万円ないと屋台商売は意外に難しい!
屋台には飲食店との兼業型の他、脱サラして始めるFC・独立開業型、お祭りや週末だけ出店するイベント型など、いくつか種類が。これらも儲かる?
「ゼミの学生がイベント型の屋台(チェコ料理)を出店し、実験したことがあります。出店先は青山のイベント会場で、142食販売して売上は1日7万円強。実際にやってみると、意外に儲からない印象です」
場所代やレンタカー代などの固定費を引くと、利益は1日1万円強に。これなら、なんとかやっていけそうな気がするが、
「通常、飲食業の原価率は約3割で、屋台を切り盛りするのに2人は必要。それを考えると、1日の売上が10万円以上ないと一般的には難しいでしょう。ただ、レンタカーを借りるのではなくクルマを購入すれば、費用は200万円前後で済む。4~5年かけて回収するつもりなら、1日の売上が10万円以下でも可能かもしれません」
出店する場所によって、売上は大きく変わる!
じつは、学生の実験には続きが…。
「翌日、浅草で同じ屋台を出したところ、33食しか売れずに大赤字に。場所によって売上が左右されるので、屋台はとにかく場所が大事」
ただ、いい場所ほど出店料が高いのは当然のこと。駐車場や店先など小スペースをマッチングするサイト「軒先ドットコム」(http://www.nokisaki.com)を見ると、一等地で1日約1万円、安ければ2000円前後。
「ただし、場所がいいから売れると考えるのは安直。浅草や巣鴨など中高年が多い街で、見た事もない外国のオシャレな食べ物をやっても売れません。やはり、街のイメージや集まる人の特性に合ったものを選ぶのが、成功の秘訣でしょう」
これから屋台ビジネスを考えている人は、ぜひ参考にしてみては?
屋台で商売を始める流れ
1.取り扱う食べ物を決める(管轄の保健所によって扱えるモノが異なることもある)
2.クルマを用意する(購入の場合、設置の設備も含め、100~300万円費用がかかる)
3.クルマの許可を得る(陸運局に申請して、構造検査を受ける)
4.保健所の許可を得る(食品衛生責任者の資格、営業設備の配置図などの許可が必要)
5.営業場所を探す(道路に出店する場合は、管轄の警察署に届出が必要)
1日の場所代「軒先ドットコム」より引用
場所と賃貸料
東京・渋谷道玄坂2丁目 10700円
東京・自由が丘 5000円
大阪・北区天満1丁目 6000円
兵庫・三ノ宮駅徒歩1分 3000円