「店内レイアウトの秘密」『Big tomorrow』連載第40回(2011年11月号)

 同じ商品を売っても、繁盛する店と閑古鳥が鳴いている店…。一体どこが違う?その答えはなんと、店のレイアウト!入口からレジ横、買い物カゴの位置まで、売れる店の秘密を探った!


「何をどこに並べるか?」―商品配置と売り上げの意外な関係を明かす!
 みなさんがスーパーやコンビニの店長なら、入口にどんな商品を置きますか。お客さんがよく通る場所だから、一番売りたいものを置く?
「残念ながら不正解。入口付近は素通りされやすいのです」
と解説するのは小川先生。
「入口から2.5メートルのエリアはお客さんの歩くスピードが速く、“助走路”と呼ばれています。このエリアはお客さんを立ち止まらせることが難しく、売りたい商品を置くのは不向き。スーパーなら特売品、コンビニなら新聞を置くのが正解です」

売り上げアップの秘密は、買い物カゴの場所!
 店内のどこに何を置くか。それによって売り上げはガラリと変わります。意外なところでは、買い物カゴの場所もそうです。
「あるショッピングモールで調査したところ、カゴを使ったお客さんのうち、実際に商品を買った人は75%。一方、カゴを使わなかったお客さんのうち、商品を買った人は34%でした。つまり、お客さんにカゴを持たせれば、4人に3人は買ってくれるのです。客単価を上げたければ、いかにカゴを持たせるかが勝負。そこで最近は、入り口だけでなく、店の要所要所にカゴを置く店が増えてきました」
 具体的には、飲み物棚の前。
「飲料は重たくて冷たいので、手で持つのは大変。棚の前にカゴがあったら、つい2本3本と入れたくなりますよね」

スーパーのレジの前には、なぜ雑誌が置いてあるのか
 スーパーの店内レイアウトは、他にも工夫がいっぱいです。
「入口付近に、バナナやオレンジなどの果物を置くのは、暖色系で食欲を刺激するため。最後にパンコーナーがあるのは、パンを先にカゴに入れるとつぶれないか気になって追加の買い物が減ってしまうからです」
 ところで、レジ前に雑誌が置いてあるのはなぜでしょうか?
「レジ前は、電池やブレスケア商品など常備品の思い出し買いを狙うのがセオリー。が、定番商品ばかりでは変化がなく、お客さんは飽きを感じます。そこで変化をつけるために、毎週毎月、表紙が変わる週刊誌や月刊誌を置くのです」
 まさに計算され尽くしたレイアウト。スーパーに行ったら、ご自身の目で確かめてみてください!