成田空港には、予定よりも20分ほど早めに着いた。チューリップフェスティバル@アンカラからはじまる長い旅だった。トルコ航空とANAの共同運航便。無事帰国のみなさん、ご苦労様でした。わたしも家に帰ります。
夜間飛行のTK050では、なぜかよく寝付けなかった。これから先の忙しさを考えたり、ここまでの自分の生き方の正しさなどを、つらつら思ってしまう。海外に出ると、とくに新興国を旅していると、帰りの飛行機の中では、ついつい日本の未来を憂いてしまう。
民主党政権の後始末を考えていた。飛行機の中で読んだ「日経ビジネス」の最新号。藤巻さんの論説は、実に的を得ていた。「郵政改革と円高の関係」は、わたしと意見がまったく一致していた。そして、渡邉美樹の日教組批判もその通りだ(郁文館でのスピーチ)。
分かってはいるけれども、票が欲しい民主党は、連合の意向には逆らえない。教育(教師)の評価に踏み込まないでは、ゆとり教育を許してきた温床に手を入れないでは、日本の競争力は高まらない。わたしに言わせれば、教育者組織のサボタージュだ。
なんのための改革なのか。本来ならば、財政改革を断行するために必要な「市場化」=「小さな政府」に、いまの政権はまったく背を向けている。藤巻氏の言うとおり、票にならない政策は打ち出せないからだ。
仕分け作業で官僚システムを痛めつけておいて、農家には戸別所得補償で甘い汁を吸わせる。子供手当てなど、金輪際、増やす必要がないのに。育児制度をこそ、変えるべきなのに。教育の市場化に、日教組は断固反対している。それでは、世界に通用する科学者が育たない。
あらゆる面で日本は競争力を失っている。それは、日本が世界でもまれに見る「社会主義国家」だからだ。借金で首が回らなくなっているのを、手をこまねいて見ていなければならない現実は、ほんとうに辛くかなしいことだ。
若い世代は、アンカラ急行列車で醜態をさらけ出していた「団塊世代」のおやじたちに、はっきりと世代間闘争を宣言すべきだ。強烈なパンチを与えるべきだ。自分たちにまっとうな職業を、そして、年金でぬくぬくと生活をしてもらうのを我慢してもらいなさいって。そう、はっきりと主張すべきときが来ている。
やめておこう。日本では、連休がはじまっているらしい。まだ時差で頭がぼけぼけである。バリ島とトルコへの旅では、商業学会のメンバーや大学院の執行部に、多大なる迷惑をかけてしまった。とくに、商業学会の関西部会では、「信じられないダブルブッキング」(明学の小野君)をやって、大顰蹙をかってしまった。
そうなのだ。5年に一度くらい、不注意にも、この手のポカをやってしまうのだ。忙しくなると、悪い癖が出てしまう。福尾さんという有能な秘書がいるはずなのだが、自己管理ができなくなる。どうしようもない人である。
連休の谷間は、二週間にわたって”積み上げてきた”たくさんの借りを返さなければならない。楽しいことの後には、う~ん、いっぱい憂鬱が待ち構えている。つらいなあ。先楽後憂。原稿、原稿、そして、資料作成。