ローソンがセブンを超える条件(数値計算): 1000日かけて、一週間にひとりの顧客をセブンから奪うこと

 無責任に計算してみた。3年間(1000日)で、ローソンがセブンを追い抜く条件は?答えが簡単に出た。わかりやすい計算だ。ローソン内部で使ってみてはどうだろうか?答えは、一週間にひとりの固定客をセブンから奪うことである。毎週ひとりずつである。



 
(2016年1月12日のブログの再掲)

  ローソンのセブン超えに関して、おもしろい計算を、以下に示しておく。
  玉塚社長の基調講演が終わりかけたとき、JFMA顧問の遠藤さん(元ダイヤモンドフリードマン社編集長)が手を挙げて質問をした。
  「セブン-イレブンの日販に、ローソンはいつの日にか追いつくことができると思いますか?」(遠藤次男氏から)
  玉塚さんは、明確には答えなかったが、「1000日計画を立てて、地道に努力をしています」がその質問に対する答えだった。日々の積み重ねが、セブンに追いつくために大切だと言いたかったのだろう。

  そこで、わたしは、さっそく、ローソンの社員とFCオーナーたちが、「どれくらいの努力」をしなければならないかを計算してみた。単純化のために、ローソンの日販(店舗当たり一日の売上)を55万円、セブンのそれを65万円としてみる(平均客数は、ローソン860人、セブン1000人)。いま両社には、日商で10万円の開きがいまある。この差を約3年(1000日、約150週)をかけて追いつくための計算は簡単である。
  一日100円、一週間で700円(セブンの客単価)、売上を増やしていけばよいのだ。つまり、一店舗当たり一週間で1人ずつ、ローソンの固定客を増やしていくことが条件になる。そのためには、これまでのようにセブンから逃げて、立地的に離れて出店してはだめなのだ。小判サメのようにセブンに密着することである。セブンから直接的に客を奪う戦略に出なければならない。

  上で計算したように、週に1人ずつ(700円)セブンから客を奪うのである。そうすることで、3年でセブンを抜くことが可能になる。
  3つの飛び道具は、準備されている。「1000日戦争」の数値的な根拠を示したことになる。さて、

 <注釈>
 セブンがローソンから顧客を奪われれば、日販が65万円から徐々に低下していくはずだ。日販60万円が均衡点だから、「二週間にひとりで充分」という計算になるのでは?そういう疑問を持たれた読者もいるだろう。
 しかし、わたしはそのようにはならないと思う。ここ数年、とくに3.11(2011年)以降のCVSを見ていると、コンビニのシニアシフトとスーパーからの顧客の流れが進んでいる。とりわけ、品ぞろえを見ていると、セブンがこの流れにいちばんうまく乗っている。
 というわけで、セブンからローソンが顧客を奪うことができても、このふたつのソースがあるために、セブンの日販(65万円)はあまり変化しないことが前提である。ローソンの快進撃がはじまっても、しばらくの間は、セブンの商売に直接の影響が出ることはないだろうと思われる。