富山わさびプロジェクト、大規模温室への投資先が複数現れる。

 2月末に起案した「富山県内でのわさびの産地形成」について、大きな進展があった。温室でわさびを栽培したいという事業者が現れたからだ。案件(14~15棟、土地面積約0.5ha)当たり、投資金額が2億円(1億円が補助金)になる。小川の提案から一年が経過した2022年末になって、複数企業(事業者)が興味を示していることが分かった。

 

 現段階で投資を考えている企業に、糸魚川のSKフロンティア(澁谷社長)まで、温室の視察をお願いしている。すでに4社が訪問済みである。投資会社の祖業は、遊技業、観光業、土木工事業などである。

 来月に入ってから、富山の金融機関が糸魚川を訪問することになっている。富山の銀行筋(農林中金)が、候補事業者と一緒に現地を訪問する。投資金額は小さくないが、ある意味で「ハイリスク・ハイリターン」のビジネスであることが理解されつつある。

 

 わさびの事業環境も変化している。海外からの引き合いが強いうえに、国内の供給量が激減している。東京の青果市場では、根茎わさびの市況が暴騰している。「国内にわさびが回っていないから」と関係者からは聞いている。

 一方で、わたし自身は、富山県でのわさび事業の進展があったことから、わさびプロジェクト事業の問題点と可能性について検討をはじめている。先週と先々週には、東京のふたつの中核市場(大田市場、豊洲市場)を訪問して、仲卸会社と青果の組合長にインタビューを行った。

 その時の報告書は、この先に予定されているミーティングのために準備中である。昨日は、わさびの種苗会社2社(ミヨシ種苗、ベルティ)にインタビューをしている。質問項目は、以下の通りである。

 

 1.いま検討しているビジネスモデルの実現可能性と、農業FCシステムの成立要件は?
 2.わさびの品質問題と苗の供給、調達に関して。栽培マニュアルと指導サービスを提供の実現可能性と問題点H?

  *投資先とFC本部組織の費用負担の問題を含む。
 3.国内外の需要動向、とりわけ、根茎と加工品の市場規模

  *定性的な情報では、国内市場は100億円、海外も同規模?と推測している。

   

 この点に関するレポートも、近々開かれる会議に向けて準備中である。市場は有望であるが、栽培システムに最大限の注意が必要である。