欧州花市場の不調、2013年は連続5か月前年割れ

 ヨーロッパの花市場が需要減少に見舞われている。大不調だ。山本清子さん(@オランダ在住)からの情報によると、オランダが従来から得意客としている上位3か国(英独仏)向けは、輸出減少が続いている。来月、わたしたちJFMAがツアーで訪れるロシア向けだけが微増である。

「切り花、鉢物の輸出高が、4%縮小し€33億に停滞する」
 2013年8月19日

 7月に5%縮小し、€3億2200万になった後に、今年のオランダからの切り花・鉢物の輸出が4%後退した。合計では€33億である。この事が、Aalsmeer のHBAG Bloemen en Planten(産業管理機構・農業卸売業 切り花、鉢物)の輸出統計で判明した。
 下落率は、切り、鉢物、両者同じ水準であった。暖かく良い天候によって、ほとんどすべてての販売地域において需要が普通の休暇の時期の下落率以上に落ちた。市場では相当な急変が起きない限り、来る月に2012年と同じ販売高の€54億の売上を実現することは出来だろう。
 歴史上2度目に、オランダの切り花、鉢物卸売業者達は5ケ月続けて売上げの下降を甘んじている。最初は、2008年末、2009年初め(10月より2月まで)で、その当時は、卸業界は14%の落ち幅と戦かわねばならなかった。今回の縮小は、過去の5ケ月間で7%である。
 
 需要の停滞
 リーマンショクは、4年前であった。これが、切り花、鉢物の販売停滞の原因であることは明確である。その他に、消費者の信頼度が落ちた事と、減少した消費余裕、今年の長期に渡る寒い春と7月の猛暑が需要後退の原因である。2012年の水準まで戻るには、来る5ケ月間に平均プラス7%の売上げ高の伸びを必要とする。HBAG Bloemen en Plantenによると、これは不可能に近い多大なチャレンジである。
 輸出統計を理解するには、2012年の7月までは、売り上げ高の伸びが6%のリードであった事を考慮しなくてはならぬ。2011年と比較すると、現状の輸出高では2%高く、2010年と比較すれば、ほぼ5%高い。

 トップ3が全てマイナス
 トップ3の購買者は縮小し、ドイツ(-6%€11億)、英国(-3%、€4億8700万)、フランス(-6%、€3億7700万)である。平均が5%であるが、全輸出額の合計の下落率である4%より多い。
 第4位のロシアは、切り花の上昇により、プラス1%を記録した(+2%、€1億2300万)が、鉢物、花壇物(-4%、€4000万)で相殺され1%となった。2012年7月までは、ロシアへの輸出高は、38%伸びた。東ヨーロッパ方面への伸びは後退し、去年のプラス10%より今年平均+2%となった。
 南ヨーロッパの諸国は、イタリア(-10%、€1億5000万)、スペイン(-26%、€4000万)、ポルトガル(-15%、€1500万)、ギリシャ(-29%、€1000万)とマイナスに留まった。
 ドイツや英国のような北西ヨーロッパ諸国については、切り花、鉢物の販売には、期待にそむいた気候が今年の大変重要な要因であったので、輸出業者は市場の回復を計算に入れている。デンマーク(-6%、€6800万)以外は、スエーデン(+11%、€9400万)、フィンランド(+3%、€3300万)、ノールウエー(+10%、€5000万)と伸びており、状況は驚異的に良い。
プラスの点を強化する
 幅広く深い品揃え、信頼できる敏速で順応性のあるロジスティックサーヴィス、更なるデジタル化を図ることによりオランダの切り花、鉢物の卸し業者は、重要な納品者としての立場を維持し、その強化を図る事ができる。
 そのの上に、業界での経費構造と同じ様に、差し迫る、品揃えがせまくなる状況は、大きな心配事である。卸業者と生産者の密なる協力体制、新しい販売コンセプトの開発は、輸出業者によると、経費を節減し、マーケットを拡大する可能性があるとのことである、この事項をHBAGが指摘する。

出典元:HBAG Bloemen en Planten(翻訳:山本清子)