最後の夜になった。原田泰造ら、ネプチューンが出演していたテレビ番組に、「笑う犬の冒険」というバラエティー番組があった。テレビには無関心なわたしだが、コントがおもしろくて、これだけはいつも見ていた。
ホリケン(堀内健一)か名倉かどちらかが、宇宙へ向かって旅立つシーンが毎回出てきた。
コントでは、旅立ちにあたって、所有物のうち、「いるもの」と「いらないもの」を箱に分けるシーンがあった。必ずその理由が説明されていた。
わたしも、中棚荘の15日間で、「できたこと」と「できなかったこと」を仕分けしてみることにする。
まずは、できたことから。
マラソンの練習距離は、15日間で、合計133KMになった。ただし、これは石川啄木マラソンを含んだ距離である。当初は、180KMを目標にしてあった。アキレス腱が不全にしては、75%の達成率は立派である。
blogは欠かさず書いた。一日も空けなかった。逆に、アルコールは、二回ほど抜けた。月に一回でも優秀だから、これも立派な成果である。
できなかったこと。
持参した本のうち、4冊は読破したが、後半に福尾が宅配便で送ってくれた洋書は全滅だった。宅配便代を無駄にした。
「初恋りんご殺人事件」は、100ページで止まったままである。
原稿は、ただの一行も書かなかった。もともとが、そのつもりで来たのだから、目がずいぶん良くなった気がする。ブルーベリーの効果もあった。一勝一敗である。
山の中を走りながら、この先に優先してやるべきことと、将来的には撤収すべきことをじっくり考えていた。仕分けの対象と、停止すべき事柄ついては、何件か森の中で決定を下した。
今年は、6冊の本が出る。来年は、無理はしないで、3冊にすることにした。
2年先の準備を来年になってからはじめることにした。作家活動の2冊目に着手するのがやや遅れる。このひとり合宿で、始めを遅らせる決意をしたのだ。
来月は還暦を迎える。いまさら、仕事の面で慌てることはない。やりたいことはほぼ終わっている。
明日は、早くに起きて、軽く走って、ここ中棚荘を離れることにする。よく食べて、よく飲んで、よく走った。体も、健康を取り戻したはずだ。
さきほど、千田編集長から、電話があった。中川さんが、足を捻挫して、来週の田沢湖マラソンを走れなくなった。
往復の酒盛りには参加するのかな。うっかり聞き忘れてしまった。レナウンからの退職が迫っている。あとで、直接、中川さんに電話してみよう。