エチオピア航空の東京・成田就航(4月22日~)で、切り花の輸入市場が激変?

 エチオピア航空が、4月22日に東京/成田〜アディスアベバ線を開設した。都内で開かれたメディア説明会の報道(4月23日)によると、「(香港経由の)初便は150名が搭乗し、ほとんどが日本人観光客だった」。ただし、将来的には日本人の割合はほぼ半分になると見込まれている。



 安倍首相の訪問外交がきっかけなのだろうか?今後は、日本からアフリカへの投資の増大が見込まれている。わたしの周囲でも、エチオピアからの切り花輸入を手がけようとしている商社や加工メーカーが少なくない。数年前に、JFMAのツアーでエチオピアを訪問した。フランス人が日本人向けのバラを、オランダ人が高原でヒペリカムなどを栽培していた。
 エチオピアには、3000M級の熱帯高地がある。ケニアと同様に気候条件も良い。産地として新しく開発された分、製造コストが低くて品質が高いバラを栽培できる。アジスアベバ~東京・成田便の就航により、日本への物流の問題が解決した。この先、もしかすると、ケニアに代わって、エチオピアが日本向けのバラの大輸出国になる可能性が出てきた。

 コーヒー豆と並んで、切り花・切り葉はエチオピアの代表的な農産品である。日本向けに大きな需要が見込める商品でもある。
 日本側もこれまでは、成田まで直行便がなかった。ドバイやスキポール経由便による物流が最大の課題だった。エチオピア航空の成田就航で、輸送の問題が解決したことになる。将来的には、東京・羽田への就航も狙っているとのこと。そうなると、エチオピア産のバラが、日本の市場を席巻する可能性が出てくる。
 現地の農場を訪問したが、エチオピア産のバラはもともと品質的にはすぐれていた。あとは、直行便の就航で物流費がどれだけ低減できるかである。ヒペリカム(茎・実)などのグリーンの栽培にも最適な場所である。ケニアと似たような地形と気候だから、作ろうと思えば、それ以外の切り花や切り葉の生産も可能である。
 
 エチオピア航空の成田就航に関する情報は、
 2015.04.23 21:19 「エチオピア航空、東京/成田線の毎日運航も視野 東京/羽田は発着枠の割り当て待ち」
 (http://home.kingsoft.jp/news/transport/traicy/8794814.html)

 <追記>
 インパックの守重社長より、エチオピアがケニアに比べて有利な条件を教えていただきました。
 ケニアと比較したときのエチオピアの優位性は3つあるようです。
① 空港の保冷庫は6000トン分に対してナイロビの空港には保冷設備はない。
② アジスアベバ-成田は、香港に二時間だけ経由するが16時間で成田着となる。一方ナイロビの場合、翌日着となり、花の場合はアジスアベバが俄然有利となる。
③ はじめの1年間、航空利用料が無料となっている。