不思議なことが起こっている。ガソリンやティッシュペーパー、インスタント食品が手に入らず、価格が暴騰している。それに反して、不要不急の衣料品や切り花などは、価格が急落している。この1週間は商売にならず、生産者も小売店もただ不安に震えている。
未来永劫にわたって、衣料品や花に対する需要がなくなるわけはない。食品が売れるように、人々の心が落ち着きさえすれば、ラグジュアリーカーやジュエリーだって売れるようになるのは、いつも同じことだ。
花業界の人たちには、「動揺することはない!」と声を高くして言いたい。いつか来た道ではないのか。日本社会は、そして日本人は、何度となくこうした苦境を経験している。復活しなかったことは、これまで一度もない。決して悲観することはない。
そんなわけで、明日は、東京の大田市場に、花の買い付けに行くことにした。黙って、生産者の苦境を見ているわけにもいかない。自分個人でできることをすることにした。
もしものことだが、洋花の価格が暴落するようなことがあれば、わたし(たち)が生産者と市場を部分的に助けることにしたいと思っている。
具体的な方法は開示できないが、昨日も新潟の西脇農園の西脇雅人社長と、ひさしぶりに話した。生産者の状況を聞きたかった。西脇さんのグループのチューリップは、明日は関西方面に送られているらしい。
それなので、明日の大田市場(FAJ)に送った荷はないとのこと。西脇さんのグループは、全部がMPSの商品なので、セリで優先的に買い付けようと思ったのに。う~ん、とても残念だ。
全般的に、祝日である月曜日の入荷量は少ないらしい。それでも、スタート時点から買いが入らないと、相場は暴落するだろう。それは避けたいのだ。
できれば、買参人の方には、日持ちのしない洋花類を買い支えていただきたい。ストックができないので、出荷調整がむずかしいからだ。関西への転送は、事態をさらに悪化させる。買い支えるしかないのだ。商売人ではないが、一市民として個人的に、苦境にある生産者さんを側面から支援したい。
今夜は、これで早めに床に這っていくことにする。明日は、おそらく4時に起きるだろう。生まれて初めて、業界人になるのだ。明日から名古屋勤務になる、次男の愛車のエディックスを借りた。
本田の車は、縦長の7人乗りである。花なら30箱(3000本)は積める、よく駅頭で見かける果物売りの行商のお兄さんになるのか、はたまた、2月14日以来ふたたび、フラワーサンタになるのか。
明日になってみないと、なんとも言えない。いままで、知り合いたちに、お花の「お嫁入り先」を依頼していた。ぞくぞくと名乗りを上げてくれるひとたちがいる。うれしいことだ。
こんな調子だから、きっと寝覚めもわるくないだろう。