先日のブログ(2月8日)で、TDRで見かけるミッキーやミニーの中にいるのは「学生アルバイトでは?」と書いた。この推測は、完全にまちがっていた。この場を借りて、お詫びしておきたい。ミッキーやドナルドは、プロフェッショナルの役者さんが演じているとのこと。
以下の部分については、わたしの推測は外れていた。オリエンタルランドの採用に詳しい方からご指摘をいただいた。
「ミッキーのぬいぐるみの中にいるのは、TDRでは学生アルバイト(かなり訓練はされているだろうが)ではないだろうか。」
ミッキーやドナルド(ランクもあるらしい)を演じるには、劇団四季以上にきびしいオーディションがあるとのこと。開園当初、ぬいぐるみの中にいたのは、米国から呼び寄せた役者さんだった。いまは現地化が進んでいるが、それでも、ドナルドはO脚でないと採用にならないとか。身体検査にもきびしい基準があるらしい。
ただし、やはり問題だと思うのは、ディズニー(オリエンタルランド)のエンターテーナーとの雇用契約が短期雇用であることだ。これに対して、劇団四季などは、オーディションと内部競争はこそ厳しいものの、基本的には社員契約である。給与も世間並み以上の好待遇が保証されている(拙著『CSは女子力で決まる!』生産性出版、参照)。
オリエンタルランドの問題は、採用が困難になっている雇用環境の変化に、米国式のキャスト採用方法(プロジェクト方式)が合わなくなっていることだろう。劇団四季のような「社員待遇」(ファクトリー方式)のほうが、いまの雇用環境ではよい人材(役者)が集まりやすい。
一般のアルバイト(キャスト)も同様である。わたしが『読売オンライン』の1月6日号で指摘したように、ディズニーが一般のアルバイトを引きつけておく誘因が、このところは下がっているように見える。役者さんもユニオン(組合団体)があるらしい。事実かどうかはわからいが、現状では、オリエンタルランドが「ブラック企業」であるとのうわさが流れてしまっている。
そうした噂を一掃するためにも、広報活動に力をいれるべきではないだろうか。
ミッキーを演じるには、ステップの踏み方、歩幅、速度など、オーディションには厳しい審査基準がある。演技の合否決定は、日本人にはできないことなどを、正確に伝えた方がいいように思う。