⺟の⽇に、定例のフィールドワークを実施しました。松島さんがブータンに旅⽴ちましたので、今年は⼀⼈での店舗視察になりました。中東の石油危機があり、諸物価は値上がりしています。予想通り、都内の花屋さんではカーネーションの値段が高騰していました。小さなお⼦さんがお⺟さんにカーネーションを贈ることができる値段ではなくなっています。
都内花店の定点観察は、地元の花屋さん(hana-to-midori)からスタート。京成電⾞で⽇暮⾥駅の⻘山フラワーマーケットへ。⽇暮⾥駅のコンコース経由で、JR山手線へ乗り換えます。有楽町の⻘山フラワーマーケットを⾒て、ユニクロの銀座マロニエゲート店へ回りました。
①高砂駅前の「hana-to-midori」さん
地元の素敵なお店です。ご主⼈は、下北沢の⽼舗花店「花弘」の元社員さん。仕入れは、フローレ21(小池潔会⻑)からだそうです。わたしは、輸入のスプレイカーネーションとカーネーションの小鉢を購入して⾃宅に飾りました。輸入カーネーションは1本330円、国産は440円です(税込み)。サントリーのムーンダストが1本660円。売り切れて、店頭在庫はほぼ無しの状態。よく売れていましたが、仕入れを絞ったからのようです。
②⽇暮⾥の⻘山フラワーマーケット(有楽町マルイ店)
⽇暮⾥駅は、わたしの乗換駅です。カーネーションが、1本500円〜700円。ムーンダストは1本千円︕ カーネーションは花束に組み入れられているので、お値段は推測になります。午後14時ごろですが、例年のように⾏列ができるほどではありません。それでも、通路は賑わっています。お客さんは、⼥⼦が7割で客層は若いです。
20代〜30代の男性もちらほら。ブーケのデザイン、店内の装飾などは魅⼒的です。それにしても、花の販売価格がかなり上がっています。その結果、客数は減少していると⾒られます。
③ユニクロのマロニエゲート銀座店
ユニクロフラワーの定点観測店です。いつもより込み合っていましたが、前⽇の⼟曜⽇に観察に⾏った業界⼈の話では、例年ほどは混んでいなかったとのこと。ワゴンの花などは平⽇と同じ品揃えです。ユニクロフラワー価格で、1束390円、3束990円。花束の値段は同じですが、仕入れ価格(100円)が高くなった分を本数減でカバーしていました。輸入カーネーションも2本束で390円です。インバウンド客も多数で、花の売り場では⾏列ができていました。ユニクロフラワーは大繁盛しています。売れ筋はカーネーションですが、その他ではバラやガーベラ、アジサイなどもよく売れていました。
④フィールドワークの総括
カーネーションの値段が卸市場で1本100円を超えていたようです。掛け率を考えると、1本100円で仕入れた花は、ユニクロでは2倍の200円(⼀束390円)、専門店では2.5倍から3倍の掛け率で売られていました。いつもはコロンビアから大量に調達している大手専門商社が「輸入カーネーションを市場にばらまけていなかった」という情報もあります。
世界的な物流網の寸断と停滞、生産コストや資材価格の高騰で、石油関連の資材と同様、花の供給も例外ではなかったようです。カーネーションに限らず、国内生産が減少しているところに、輸入花の調達では、円安で海外勢に買い負ける傾向にあります。
悩ましいインフレの時代の到来です。豊かな社会の実現が確実な時代(1970年代)には、いずれ所得の上昇がインフレに追いつきます。花の販売へのコスト増の影響は限定的です。ところが、⼈口減少社会では、雇用機会の恩恵が万⼈に平等に波及してはいきません。その結果は、AIのような技術革新がインフレを抑止するどころか、所得の格差を通して需要を抑制することになります。
さて、来年の⺟の⽇はどのようになっているでしょうか︖
【巻頭言】「⺟の⽇、フィールドワーク」『JFMAニュース』(2026年5月20日号)
連載(JFMAニュース)
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