【講演レジュメ】「木都能代への期待と木材産業の未来」能代市木材産業連合会主催セミナー(2026年3月5日)

 来たる3月5日、生まれ故郷の秋田県能代市で講演を依頼された。対面での講演は、ローソンオーナー向け講演(神戸市)以来、半年ぶりになる。「木の学校能代」の佐々木松夫所長からの依頼である。一昨年、『わんすけ先生、消防団員になる。』の出版記念講演(2024年5月11日)の続きの話になる。
 先日、LINEで相談の上、ほぼ以下のような話をすることに決まった。以下は、講演のパワポ・オリジナルテキストになる。林麻矢さんに、作成を依頼してある。
  
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能代市木材産業連合会主催セミナー 
開催日:2026年3月5日
@能代市文化会館中ホール
 
<講演会> 
 タイトル「木都能代への期待と木材産業の未来」
  キ-ワード:主役と脇役、過去と未来、未来への選択肢
 講師:小川孔輔(法政大学名誉教授、日本フローラルマーケティング協会会長)
 
 
<講演の概要> パワポ用
 
1 はじめに:キーワードで考える
 ・主役と脇役
   中国木材と木都能代の結びつき
   国内最大の木材加工メーカーと国産杉材の集散地
   能代進出と最適立地
 ・過去と未来
   大正時代以来の秋田杉製材業の発展
   高度経済成長期の住宅ブーム
 ・未来への選択肢
   新しい産業を興すか?(例:球根ビジネス、枝物の産地開拓)
   古い産業を作り直すか?(木材産業のリビルト)
  
2 高度経済成長期、経済的に繁栄ができたのはなぜか?
 ・日本国が経済的に繁栄していたから
   人口7000万人から、1億2千万人に!
   住む場所が必要に → 住宅産業の隆盛
   住宅建設からの派生需要としての木材需要
   太平洋戦争の敗戦後(いまから80年前)
   当時は、建築材料のほとんどが「木材(杉)」だった
 ・大正期からの産業の基礎
   能代市=山から伐り出した木材を運搬して
   米代川の河口で、製材の町(加工基地)として栄える
   運搬の利便性:ロジスティックス
   「馬車」と「筏」で杉の丸太を運ぶ
   森林資源へのアクセスの良さ
   森林資源(戦争中に秋田杉の山)への
  
3 木材産業の事業環境の変化
 ・産業を取り巻く環境=新しい市場機会
 ・木材調達の国内回帰
   原因は温暖化(北欧と北米で病害虫)と資源の希少性
 ・加工技術と需要の変化
   プレカット集成材が90%
 ・日本が低成長経済に移行
   リフォーム需要が主になる?
   団地の再開発(ローソンタウン構想、ダイワハウス)  
・無印良品が住宅産業に参入
   個人的な経験 元二ツ井町長の丸岡君との会話
   無印良品に杉端材で作った椅子(MUJI)を納品
  
4 中国木材の先見性
 (2年前の講演パワポ・中国木材を再編集)
 ・時代の変化をどのように読んだか?
   気候変動(温暖化)への対応 
 ・海外調達から国内回帰へ
   外材の加工技術を磨く
   → 国内工場立地へ
 ・国産材の調達
   呉港と鹿嶋港(北米からの輸入)
   宮崎県日向市(国産材の調達)
   秋田県能代市(東北地方、北海道の集散加工地)
  
5 木材産業の過去と未来
 ・商品=天然秋田杉(大高銘木、杉材のハリマサ)
   商売相手は、問屋など中間流通業者だった
   情報発信の必要もなく、
   一次加工を超えることができなかった
 ・どこに希少な資源を集中させるか
   事例:滋賀県多賀町(杉の山が豊富)の木材倉庫メーカー
   杉材の倉庫、庭の物置を超えて、サウナの製造販売

 ・加工技術の基礎と人材確保
   個人的な体験:おひつ(ふるさと納税品)を購入 5万円納税
   日本酒や味噌醤油などの容器(コンテナ)としての杉樽
   ワインビジネス(オーク樽の代替品)
  
6 結論と提案
 ・チャンス到来
  → 「中国木材」の能代進出
    = 新しい裾野産業のゆりかご
 ・「秋田木材」の再来 → ただし、時代は変わった
    杉の製材所が林立する町
  → 素材ではなく、完成品をクラフト的に作る町に変わっていく
 ・木材の裾野産業の育成
   実用的なクラフト樽(ワイン、日本酒醸造用)
   最終加工品(サウナ、趣味の小屋)で販売事業
   ホームセンターのリフォーム市場の開拓

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