このところ、インタビューや講演の準備のために作成したメモを公開している。本日公開するメモは、2026年1月10日に作成したものである。「2016年JFMA 新春セミナー・賀詞交換会」の事前打ち合わせがは、オンラインで実施された。
なお、2026年の新春セミナーのテーマは、「花き業界のこれからをつくる 新しいトレンドの生まれ方・育て方 〜 種苗の動向、草花・枝物・切り花のトレンド ~」だった。ちなみに、こうしてメモをデジタルにしておくことは極めてまれである。普段は、手書きのメモをそのまま手元にもってパネルをコーディネートしている。
「2016年JFMA 新春セミナー・賀詞交換会」
「花き業界のこれからをつくる 新しいトレンドの生まれ方・育て方」
〜 種苗の動向、草花・枝物・切り花のトレンド ~
<打ち合わせメモ>
2026年1月8日@JFMA麹町事務所
BY 小川孔輔(JFMA会長、法政大学名誉教授)
本セミナーでは、進化する種苗開発や草花・枝物の広がりを背景に、生産・流通・マーケティングの第一線での実践から、トレンドがどのように生まれ、育っていくのかを探ります。
園芸業界で商品や品種の魅⼒を一過性で終わらせず、市場に定着させてきた藤原雅志氏の講演では、*消費者・業界関係者・ブランドという三つの層を一体として動かす、これまでにない考え⽅が示されます。
後半のパネルディスカッションでは、その視点をもとに、生産者や市場関係者を交えて、新しいトレンドを現場でどう育て、業界全体へ広げていくかを具体的に深めていきます
*注釈:藤原氏の「3層マーケティング」とは、
作業着の製造小売業「ワークマン」が2018年頃から始めた「アンバサダー・マーケティング」の花苗版で、さらにビジネスモデルを拡張した新しい方法論。「インフルエンサー・マーケティング」の進化系(小川の解釈)。
この場合のアンバサダーは、消費者代表のアンバサダーと花専門小売店(スペシャリスト・アンバサダー)から構成される。
1 講演「トレンドを自走させる『3層の共創マーケティング』〜消費者・プロ・ブランドが一体となるPW流・ブランド構築術〜」
基調講演者(スピーカー): ハクサン 常務取締役 藤原雅志氏
<前半>は、自社の種苗開発の流れの説明
園芸業界での種苗メーカーの開発イノベーションとブランディング
PWグループの動き(グローバル)とハクサンの方法(ドメスティック)
<後半>は、①自社ブランドを超えて、②消費者(アンバサダー)と③プロショップ
(全国の有力小売店)を巻き込んだ「開発マーケティングの仕組み」
*「3層の意味」
① 消費者起点のマーケティング(CGM: Consumer Generated Marketing)
花苗市場の「進化系アンバサダー・マーケティング」
これには、二重の意味がある
花が好きな一般消費者 < アンバサダー(高関与集団)
<事例>:ハクサンのアンバサダー・マーケティング
・4年目に入る(2022年~)
・初年度:アンバサダー(無償)は数百人
*インフルエンサー(有償)の時代は終わる? 他の業界でも(ワークマン)
→ 現在(2025年度)、4千人から、300~400人が選ばれる
アンバサダーの仕事?
新しい苗をプレゼントしてもらえる(300種類)
利点、問題点、育て方などを、ハクサン(メーカー)にフィードバック
・毎年末に「総選挙」を実施
SPアンバサダー(25人)から、さらに「TOP5」を投票で選ぶ
② プロのショップ(例:尾崎フラワーパーク)
・全国のパートナーシップ小売店 店舗(情報発信の場所)
プロショップ + アンバサダー
・ネタ出し、消費者とブランド(メーカー)
・この仕組みは、今一つ、わたしにはわからなかった
③ PWの品目カテゴリーの拡大戦略
・スタートは、一年草の花苗
それが、多年草の花苗に拡大
・いまは宿根草や低木(草花系を含むようになった) →
奥久慈の枝物など鉢物(苗もの) → 切り花に転用(ナチュラルで不定形な良さ)
・トレンドのコントロール
トレンドを殺さない要因するための方法論
2 パネルディスカッション 「新しいトレンドをどう育てるか︖」
① JA常陸 奥久慈枝物部会副部会⻑ 関信一郎氏
・枝物・多品目産地(300種を栽培 主力品目は花桃)
・55名の生産者(微増)
・年間出荷額2.5億円
・自由に作る、何でも作って売ってみる
→ 提案の起点は、青フラさんからのリクエスト
・GI(地理的表示)の登録を実施 GI-地域特有の農水産物の登録と保護
・トレンドは事前に確実にわかるものではない!
では、どうするか❓ → 「冒険」をしないと、「成功」は生まれない
100%消費者ニーズを拾い上げるために、市場投入テスト
新製品の成功率 < 10% なので、
他者のコピーだけでは、イノベーションが起きない
・果敢な挑戦、冒険する組織
② ヤマキ花卉園 代表取締役 山田桂氏
・千葉県館山市で、ヒマワリとストックを生産
「王道のマーケティング」をする生産者を自任
・花の生産で、余力を持って育てる
・新しいトレンドを作った事例:
青山フラワーマーケットと「朝採りのヒマワリ」を始める
・特徴:35歳以下の生産者の「35会」を主宰
花業界の若手を集めて(42名)がトレンドを生み出す
品種と企画で、マーケティングを継続する方法を模索する
③ 東⽇本板橋花き 代表取締役 樋口博紀氏
・長年にわたり「トルコキキョウ」の国内市場への定着を主導してきた市場人。
その経験からの発言を期待したい。
・テーマは、「トルコキキョウの周年化」だった。
最初の目標は、「10月のブライダル需要」を取るために、
国内で生産していなかった周年化を、台湾の産地開拓に求めた
・2007年、輸入商社を通して品種構成を調べる
現在は当時の10分の一になっているが、
最盛期には、台湾の12月~3月に、300万本を生産輸入
・現在は、沖縄をトルコキキョウの主産地にしている
当初は、トルコキキョウを沖縄の小菊の代替品目とする
現在では、秋冬の沖縄が主要産地(トレンドを読んでの仕掛けだった)
・本人が24~25歳の頃、
JT(日本たばこ産業)が、世界の花の種苗のコレクションを収集していた
・「種苗会社」にコミットさせる方法論
色別のアプローチ(競合企業がカラーで差別化)
住友化学(白)、カネコ種苗(ピンク)、タキイ種苗(ラベンダー)
ブリーダーが、色別に新種改良する
・産地開拓と種苗開発のミックス
県別のオリジナル品種の登場 → 他県に移植(周年化、産地リレーを実現)
花店と市場が品種開発と市場開拓に関与
4方良し(消費者、種苗業者、産地、花店)
・同様な動きとして、ヒマワリの事例
一時ダントツの品種(タキイ種苗のさん立地)
それに対して、サカタがビンセントを開発
結果として、品種の裾野が広がっていく
<パネル運営の切り口>
1 流行には、3つパターンがある
一時的な流行(ファッド)、普及カーブ(ディヒュージョン)、長期(マクロトレンド)
2 トレンドになる前に、微かな「兆し」が現れることがある。その事例を!
3 「ファッド」で終わらせないための方策は? 流行を継続するためのポイント
4 普及には、ターゲットセグメント(ボリュームゾーン、コア層)の管理が必要
5 トレンドを継続させるためには、
① 地域を広げる(樋口さんの経験:トルコキキョウの事例)
② 色目(白、ラベンダー)
③ 3層マーケティング(4方良し)
④ メーカー同士で競争(ヒマワリ、タキイ、サカタ)
⑤ 流通チャネルを変更する(花桃のスリーブを量販店に)


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