小川孔輔(2020)「効果的なプライシング:事例にみる賢い価格付けの考え方」『調査月報』(2020年10月号)

 「日本政策金融公庫総合研究所」から原稿の依頼を受けた。依頼文には、「『「値づけ」の思考法』を読んで、研究所の月刊誌『調査月報』に「最適な価格戦略」というテーマで原稿を書きていただきたい」とあった。今年3月のことで、忘れたころに締め切りが来ていた。先月、10日間待っていただき、急いで原稿を完成させた。

 

 寄稿の依頼は、『調査月報』(日本政策金融公庫)のなかの「クローズアップ 識者に学ぶ」というコーナー。「このコーナーでは、わが国の経済や中小企業が抱える課題、中小企業経営に関わる論点などをさまざまな角度から取り上げ、識者の考えを論じていただいております」との説明があった。

 以下は、わたしのオリジナル原稿である。実際は、言葉の表現や図表のレイアウトなど、若干の変更がなされている。なお、図表は、文中では省略されている。オリジナル(『公庫月報』あるいは拙著)をご覧いただきたい。

  

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 <クローズアップ 識者に学ぶ>                               

「効果的なプライシング:事例にみる賢い価格付けの考え方」『調査月報』(2020年10月号)。

 文・小川孔輔(法政大学経営大学院) 

 

0 はじめに:会社の利益の95%は価格づけで決まる

 企業経営の最大の課題は価格づけだと言われている。なぜなら、利益の95%が価格で決まってしまうからだ(小川 2019)。 *1 ところが、実際の経営では、もっとも重要なはずの値段の決定が、経営者の直感で漠然と決められていることが多い。皆さんも、ご自身の会社で価格が何となく決められていると感じることはないだろうか。あるいは、不用意な値引きや思い付きで値上げをして顧客を失っていることはないだろうか。

 しっかり儲けるには、お客が納得した買いたくなる価格(値ごろ感)をつくることが大切である。また、最適な価格を実現するためには、コストの削減方法や価格の表示の仕方に工夫を凝らす必要がある。そのためには、価格付けの背後にあるロジックを学ぶ必要がある。

 本稿では、十分な利益を上げるために必要なスマートな「値づけ」を、成功している会社の上手なプライシングの実践から学ぶことにする。様々な業界で実践されている絶妙な価格戦略の実例を紹介しながら、プライシングの基本と実践法を平易に解説していく。

 

1 価格付けの理論:3つの方法

 マーケティングの「価格づけ理論」では、利益を最大化するための価格付けの方法が3つあると説明されている(図表1)。すなわち、①「コスト」に基づく方法、②「需要」に基づく方法、③「競争」に基づく方法の3つである(サイモン2016;小川 2009)。*2 それぞれの方法とその狙いが、図表1に示されている。簡単に説明する。

 コストに基づく方法(①「フルコスト原理」とも呼ばれる)では、製品の原価に対して一定の利益を上乗せして値段を決める。公共料金や鉄道運賃、タクシー料金などは、コストに適正な利潤を上乗せして価格が決められている。しかし、自由競争で値段が決まる場合でも、原価を基準に一定の利益を乗せる価格付けは立派に機能している。たとえば、通常の飲食業では、食材の原価が25%~35%になるように値段を決めている。

 ところが、逆張りの価格戦略(高原価・高回転戦略)を実行している企業も世の中には存在している。「俺の株式会社」(フレンチ/イタリア料理店チェーン)や「スシロー」(すし店チェーン)では、食材の原価率を高く設定することで、一般の飲食店チェーンと差別化を図っている。両社では、安くてなおかつ美味しいフレンチ/イタリア料理やすしネタを提供できるのは、50%以上の高い原価率を設定しながら、高回転の経営をしているからである。*3 

 需要に基づく方法(②)では、消費者が価格に対してどのように反応するのかを見て値段を決める。一般的には、「価格弾力性」(=-需要の変化率/価格の変化率)が大きければ、思い切った値引きが有効である。また、年齢や性別に顧客がセグメント化できる場合は、ターゲットグループ別に異なる価格を設定することで利益を増やすことができる(「差別価格」と呼ばれている)。たとえば、映画館(学生や高齢者)やテーマパーク(子供やファミリー)やガソリンスタンド(女性)などでは、時間に余裕がある価格感度の高い顧客を価格的に優遇することで、施設の稼働率を上げて利益を確保している。

 

 <<図表1 新製品の価格設定:3つの考え方>>

 

 最後の方法(③)は、競争をベースにした価格付けである。どのような業界においても、シェアトップの企業(リーダー企業)と下位企業(チャレンジャー/フォロワー企業)が存在している。一般に、競争上弱い立場にある下位企業は、リーダーの価格を参考に価格を決定する。これを「プライス・リーダーシップ」と呼んでいる。通常は、上位企業の方が高品質の商品を販売していることが多い。リーダー企業の商品やサービスに対して、消費者はプレミアム価格を支払う用意があるからである。また、逆のケースとしては、特殊な用途やターゲットに特化している企業(ニッチャー)の商品では、顧客や用途を限定することでプレミアム価値を支払ってもらえることがある。

 以下では、事例を通して、最新の価格付けのトレンドとスマートな企業の価格対応を紹介していくことにする。

 

2 わかりやすい価格付け:KFCの消費税増税への対応*4 

 昨年(2019年)10月1日より消費税が8%から10%に引き上げられた。増税に伴い企業が直面するのが製品・サービスの価格の見直しだった。今回の消費増税では、お酒を除く飲食料品と新聞の消費税を8%に据え置く軽減税率制度が導入された。ただし、同じ飲食料品でも、テイクアウトや宅配等は8%、外食やイートイン(購入商品の店内での飲食)は10%と異なる税率が適用されるため、テイクアウトとイートインの両方を提供するファストフード業界などでは、どのように価格を設定するのかが注目された。

 原価を考えると、消費税をそのまま価格に反映させたくなる。その考え方にしたがうと、消費税率が変わらないテイクアウトは値段を据え置き、イートインのみ増税分の2%分を加算して値上げすることになる。実際、モスバーガーや吉野家などは、テイクアウトとイートインで税込価格を変える方針を打ち出した(図表2)。

 一方、日本ケンタッキー・フライド・チキンは、「オリジナルチキン」の価格を、テイクアウト・イートインを問わず、税込250円に据え置くことを発表した。それぞれの本体価格(税抜)はテイクアウトが231円、イートインが227円となる。イートインは実質的な値下げすることになった。同社が価格を統一したのは、顧客にとっての“わかりやすさ“を重視することにした。同じ商品でイートインとテイクアウトで価格が異なるのは、消費者の判断を迷わせる。また、レジでの支払いで1円単位の端数が生じるのも煩わしい。多少の利益を削っても、わかりやすい価格にした方が消費者にとってメリットが大きいと判断した結果と考えられる。

 図表2には、増税後の飲食業界で、税込み価格を「変えなかった企業」(左側)と「変えた企業」(右側)がリストアップされている。2020年に入ってコロナ後の変化もあるが、筆者の判断では、「変えない派」の方が、その後の消費者からの反応は良かったように思う。実際に店頭での消費者の反応をみても、マクドナルド(一部商品は値上げを実施)、KFC、松屋フーズなどは業績が好調に推移しているように見える。

 

 <<図表2 わかりやすい価格付け>>

  

3 ロングセラーブランドの価格調整: 日清カップヌードルとマルボロ・フライデー

 長く愛用されているロングセラーブランドの場合、価格を変更するとイメージが低下して、商品寿命を縮めるリスクが生じる。ロングセラー商品で、価格の改定で失敗した事例を紹介する。また、その際に守るべき適切な対応策のガイドランを示してみたい。

最初の事例は、値上げの事例である。日清食品の「カップヌードル」は、原材料の高騰を背景に2008年6月に卸売価格を15円値上げした。そうしたところ、売上が値上げの前月に比べて瞬間的に52%も減少してしまった。日清食品はその後、カップヌードルの価格を再調整することを余儀なくされた。

 一方、値下げの事例では、米国のタバコメーカートップの「フィリップモリス」が有名である。1994年、価格競争を仕掛けてきた競合他社に対抗して、同社のトップブランドである「マルボロ」を果敢に値下げした。ところが、想定とは逆に、マルボロの売上が激減することになった。ブランドイメージの悪化で、同社の株価も大幅に低下した。この事例は、マーケティングの歴史の中で、「マルボロ・フライデー」(値下げの日が金曜日だったから)として後世に語り継がれている。

 コスト増や競合の値下げなどの環境変化に対して、価格競争力を維持する方法は2つある。1つは、新しいトレンドを取り入れて、製品をマイナーチェンジすることである。例えば、値上げに際して、メーカーはブランドのロゴマークやパッケージをリニューアルすることがある。また、知覚価値を高めるために、「国産原料100%」など差別化要素を付加することがある。イメージ刷新や品質向上を強調する非価格競争の手段を併用するわけである。

 カップヌードルは、値上げをした翌年に肉の具材を変えてブランドをリニューアルしている。実際に、値上げと同時のタイミングでブランドをリニューアルしていれば、売上の激減を回避できたかもしれない。

 もう1つの方法は、商品ラインナップの拡張である。たとえば、グリコのポッキーは、さまざまな種類のサブブランドを展開している。パッケージのリニューアルと同時に、フレーバーや味、形状などのバリエーションを増やし、消費者が飽きさせない工夫を施してきた。単なる商品ラインナップの追加だけでなく、広告コミュニケーションやプロモーションも独特の展開をしている。

 近年では、原材料費の高騰や人手不足などを背景に、メーカーはコスト増に苦しんでいる。賢い方法は、価格は据え置きサイズを小さくしたり容量を少なくしたりすることである。こうした、サイズの調整による実質値上が一般化している。愛用のブランドのサイズが小さくなったり、気がつかないうちに分量が少なくなっていることはないだろうか。

  

4 ダイナミック・プライシング(変動価格制):USJやアマゾンでも

 ところで、わたしたち消費者がインターネットやスマートフォンで商品を購入するようになったことで、最初に紹介した「需要に基づく方法(②)」の適用に大きな変化が起こっている。EC企業が、自社のサイトを訪れる顧客に対して、購入日や時間帯によって価格を変動させる「ダイナミック・プライシング」(変動価格制)という手法を採用するようになったからである。

 最先端の事例が、アマゾンやヤフーなどのEC企業(電子商取引)の価格付けである。ECが普及する以前から、通販業者やカード会社のカタログ販売では、購入者の属性や購入履歴を用いてターゲットごとに推奨商品を変えていた。しかし、個人別にプロモーション価格までコントロールできるようになったのは、アマゾンやヤフーなどが登場して以降のことである。ECでは個人が特定できる上に、購買履歴からその人がどのような好みや値ごろ感を持っているのかが推測できる。極端なケースが、ひとりひとりに提示価格を時間の経過とともに変えてしまう「マイクロ・プライシング」である。商品の原価は同じなのだから、一人一人に別々の価格を付けたほうが最終的な利益は大きくなるのは自明である。

 テーマパークでも、ダイナミック・プライシングの導入の動きが広がっている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、日本の大手テーマパークでは初めて、2019年1月から変動価格制を導入した。7900円だった1日入場券を、正月休み明けから1月末までの閑散期は7400円、春休みシーズンの繁忙期には8700円に変更するとアナウンスした(図表3)。USJが価格変動制を導入した背景には、入場者数が2017年まで4年連続で過去最高を更新する中で、繁忙期にパーク内が混みあうことによる顧客満足度の低下があった。

 テーマパークやエアラインのようなサービス業は、季節や曜日ごとに価格を変動させることで2つのメリットを享受できる。1つは、繁忙期の来場者の満足度が高まり、再来場を促すことができることである。もう1つは、閑散期の価格を割り引くことで、それまでは高い価格で来場(搭乗)を敬遠していた新規の顧客を獲得できることである。

  

<<図表3 変動価格導入後のUFJのチケット料金体系>> 

 

 なお、これまでは日本では、こうした「差別価格制」は受け入れられにくい傾向があった。近年の事例としては、日本マクドナルドのハンバーガーが、2013年から約3年間、地域別に異なる価格で提供されていた。しばらくの期間は、福島県や鳥取県などでは都市部よりビッグマックやハッピーセットが安く販売された時期があった。ところが、ご存知のように、2015年に鶏肉偽装問題などで業績が悪化した時点で、マクドナルドは地域別価格制をとりやめて、全国一律の統一価格制度に戻している。

 しかし、ここ数年は、インターネットでの買い物が一般化する中で、航空チケットや宿泊などの価格が時期によって異なることが当たり前の様に受け止められるようになった。需給バランスによって価格が変わるということが、日本の消費者にも広く理解されるようになったわけである。

 USJの変動価格制への移行を見て、TDR(東京ディズニーリゾート)も変動価格制の導入を検討しているといわれている。ネックになるのが、顧客のブランド・ロイヤリティへのマイナスの影響である。というわけで、次節では、変動価格制とは真逆の価格政策(EDLP)を採用している企業の事例とその考え方を紹介する。

  

5 EDLPと定価販売のメリット

 顧客の立場からすると、変動する価格の提示は、自分にとって適切な価格とサービスが提供される時間を自由に選べるメリットがある。しかし、頻繁に価格を上下させる企業の行動は、消費者からは“略奪的”に映るかもしれない。コロナ以前は、インバウンド需要の高まりや賃金の上昇もあって、多くの宿泊施設で宿泊料金を値上げしていた。一方で、頑として価格を変えないホテルもあった。それは、長期的な顧客のロイヤルティに報いるためである。

 特定のブランドを長く利用してくれる顧客は、普段と変わらない「安心価格」に忠誠心を感じるだろう。それとは逆に、同じサービスに対して、その都度の支払価格が異なると、心理的な忠誠心は低下してしまう。さらに、商品やサービスに対する探索コストが高くなることも、変動価格制のネガティブの側面である。頻繁に変わり続ける価格情報をネットでいちいちチェックしなければならないからである。

 価格を変動させないことは、企業側に運営上のメリットをもたらすこともある。かつてウォルマートが提唱し、日本でも大手チェーン小売業(ニトリやカインズ)が実務的に継承しているEDLP(Every Day Low-Price)の価格政策は、消費者のリピート購買と探索コストの削減に寄与している。ダイナミック・プライシングの導入については、小刻みな価格変更による収益向上のメリットに目が行きがちだが、店舗オペレーション面ではマイナスの影響もあるからである。

 ウォルマートは顧客の店舗ロイヤルティを高める手法としてEDLPを導入したが、店舗業務を簡素化するというメリットもあった。オペレーションをシンプルにすることでコスト削減ができた分を、商品価格の低下に反映させるためである。「毎日が同じ低価格」は、消費者の負担軽減によって、再来店頻度を上げる施策でもあった。頻繁な価格変更は、店舗運営や値付けの作業を煩雑にする。在庫管理や補充作業が増えて、従業員の時間配置(シフト)が複雑になる。また、頻繁に価格を変えることは、需要の変動を予測することを困難にする。コンビニが値引きをしないことに拘ってきたのは、定価販売が発注精度を高めることにプラスに寄与してきたからである。

  

6 表示の心理的な効果: “桁数マジック”と“サイズマジック”

 最後に、心理的な価格付けの方法について、われわれ消費者がついつい騙されてしまいがちな「数字のマジック」を紹介する。「タウリン1000㎎」「アルコール度数0.00%」という商品ラベルを見かけることがあるだろう。こうしたラベルの数字には、人間の心理を欺く仕掛けが隠されている。数字は、人間の説得に有効な手がかりであることが知られている。

 具体的な例をあげてみよう。店頭のPOPで、「5%引き」の10万円の商品と、「5000円引き」の10万円の商品があったとしよう。消費者はどちらにお得感を感じるだろうか? 支払う金額はどちらも9万5000円で同じである。しかし、なぜか「5000円引き」のほうに消費者はお得感を感じる傾向がある。

 われわれは数字の“桁数”に騙されてしまう。小さい数字よりも大きな数字で表示したほうをお得感を感じるのである。ドリンク剤の有効成分が、なぜ「g」ではなく「㎎」で表示されているのか、これで納得していただけたのではないだろうか。同じ内容を示しているのに、数字の見せ方(表示)を変えるだけで印象が変わってしまうのである。

 たとえば、栄養ドリンクの成分表では、「タウリン2000㎎」とわざわざ「㎎単位」で表示している(写真)。「タウリン2g」と「g単位」で表示せずに、「mg単位」にした方がケタ数を大きくできるからである。mgで表示すれば、成分がたくさん含まれているような印象を与えられる。

 それとは逆に、ニコチンやタール、糖分などを目立たせたくない場合は、ケタ数を小さくする方が効果的になる。タバコ会社は、ニコチン「100㎎」ではなく、まちがいなく「0.1g」を採用する。小数点以下の数字だと、分量が少なく感じるように印象を操作できる。

 つぎに、数字の大きさを変えて価格を提示する場合を考えてみよう。こちらも、印象操作しているケースである。たとえば、商品券や割引クーポンでも、数字を大きく表示したり、クーポン券のサイズを大きくすることで、お買い得感が演出できる。最近では、携帯用に電子クーポンが普及しているが、それでも紙のクーポンが消えてしまってはいない。その理由の1つが、消費者が数字の大きさに反応する傾向があるからと考えられる。

 商品券などで、わざわざ実際の1000円札や1万円札と同じ大きさにしているのを見かける。お値打ち感を演出するためである。その場合は、「1000円引き!」の数字を極大ポイントで表示すると、ディスカウントが効果的になる。まさに“サイズマジック”である。

 

<<写真  桁数マジック(タウリン2000mg)とサイズマジック(アルコール0.00%)>>

  

7 おわりに: さまざまな価格づけのバリエーション

 紙面の都合で、価格付けに関する以下の興味深いテーマが紹介できなかった。①~③は、最近になって注目を浴びているサービス価格の設定に関する実践例である。詳しくは、拙著『「値付け」の思考法」』(日本実業出版社、2019年)を参照されたい。

① 「サブスクリプション(定額購買)」(Netflix、エアークロゼット、Bloomee Life)は、消費者の購買ストレスを軽減させるための手法として受け入れられている。しかも、この契約形態(定額制)はスマホ世代ととても相性がよい。

② 「シャアリングサービス」(カーシェアリング、民泊)は、若者がモノを持ちたがらず、利用を重視する行動傾向への企業側の適応からはじまった。

③ 「サービス利用の小口化」(コインパーキング、オフィス空間)は、未利用の遊休施設や資源を時間分割することで流動化するところからビジネスが始まった。しかし、いまやなんでも(人間の労働時間までも)小口化が進んでいる。

④ 「プレミアム価格戦略」(例:池田屋のランドセル)が機能するケースでは、革新的な製品サービスの開発が差別化のキーポイントになる。

 

<注>

1 小川孔輔(2019)『「値づけ」の思考法』日本実業出版社。

2 ハーマン・サイモン/上田隆穂監訳(2016)『価格の掟(おきて)』中央経済社、小川孔輔(2009)『マネジメントテキスト マーケティング入門』日本経済新聞出版社などを参照のこと。

3 小川孔輔「俺のフレンチ:立ち席から始まった高回転率の強み “高品質・激安”なのに儲かる秘密」『プレジデント ウーマン』(オンライン版、2019年8月22日:https://president.jp/articles/-/29690)。

4 本節と次節は、小川孔輔(2019)「(ビジネススクール流知的武装講座)消費増税・軽減税率導入で価格はどう見直すべきか」『プレジデント』(9月13日号)のを加工編集したものである。