【大阪万博】人気の浮揚度

 大阪万博が、一か月前から開催されている。膨大な開催コストや企画の評判の悪さにもめげず、かなりの健闘ぶりだ。ふたを開けてみれば、「万博の前評判と実際の落差」が話題になるほどだ。評判の悪さを実際に点検する記事(『日経MJ』2025年5月14日号)などでは、逆に前評判とは異なる”意外な評判の良さ”が、博覧会に興味を引き寄せる話題づくりになっている。


 日経MJの一面を飾っている記事によれば、「万博は若い世代は『期待以上』」という見出しが典型的な博覧会の実態を伝えている。開幕前の不評はどこへやらだ。事前に想定されていた「閑古鳥が鳴くはずの万博イベント会場」には、長蛇の列ができている。
 興味深いのは、「長蛇の列」について、ふつうは会場の設計ミスや混雑度のコントロールについてネガティブな評価になるもの。ところが、予想に反して混雑しているという意外性が、どうにか開催できた大阪万博への応援メッセージになっている。
 「阪神タイガース現象」と呼んでいいのだろうか? 不幸にして苦戦しそうな大阪万博を、どこかで応援したいと思っている判官びいきの日本人がいる。関西人に特有なセンチメントでもあるのだろう。

 不遇なイベントに対して、皆が応援歌を歌い始めた。スマホ経由ですべて予約制のパビリオン会場は、ふつうならば非難の嵐に見舞われそうなものだ。が、そこのところも「年寄りは予約は無理よね」と片付けられてしまっている。
 なにせ、1970年の博覧会以来、55年振りの国際博覧会@大阪である。始まってしまえば、若者たちにとっては、未経験のイベントである。東京オリンピックも、コロナの中でなんとなく終わってしまった。だから、今度の万博は開催期間がそれ相当に長い。
 若者やファミリーは、「行ったみたい」と言うに決まっている。実際に行ってみると、5点満点で平均点が「3.7点」(日経MJの記事から)。 サンプル数がわずか「106人に聞きました」だったが、それは気にしない気にしない。

 正直に言ってしまう。開催の1ヶ月前に、あるセミナーがあった。参加者に尋ねてみると、30%弱しか「行きたい」「行く予定がある」と答えていなかった。ところが、開催1か月後には、半分以上が「行くつもり」と答えている。
 わたしの周辺でも、「すでに行ってきた」「これから行く」という個人やファミリーが、雨後の筍のように急増している。テーマパークのTDRやUSJとの比較では、参加意向では負けてはいる。とはいえ、話題性を充分だ。
 結局のところ、若者とファミリーの多く(>50%以上)が、半年で訪問することになるのだろう。「万博、万歳」である(笑)。世の中で、こんな多額の投資で開催できるイベントは、そんなに多くはない。半年という、長めの開催期間もここはプラスに作用しているようだ。

 

 

コメント