【仕事の手帖】ミニラベルカラー(色)の割り当てを変更する

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 1989年から、仕事の予定を整理するため、「生産性手帳」(日本生産性本部)を使い始めた。手のひらサイズの小さな手帳で、表紙のビニルカバーは紺色だった。いつしか管理職(学部主任=副学部長)になって、月単位の狭い空白なので、ペン先の太いモンブランでは書き込むスペースが小さくなってきた。
 その対策として、1998年からは、小さな丸いシールを貼って、仕事の種類を色で区別できるようにした。丸いシールは、「ミニラベル」と呼ばれていた。同僚の矢作先生が使っているのを見て、わたしも活用してみることにした。
 直径が5mmで、色の種類は何種類かあった。わたしは仕事や遊びの種別を表すため、6色の小さな丸いシール(〇)を使うことにした。一枚の用紙に、同色のミニシールが200枚(20×10)ほど並んでいた。
    
 自分の仕事の種類が区別できるように、青(研究)、黄(授業)、赤(花と野菜)、緑(取材、コンサルティング)、オレンジ(学務)の5色を用いた。6色目のピンクのシールは、友人との交流、家族の行事などの(遊び)を意味している。
 
 学部長の任期が明けた2004年ごろから、白内障が進行して小さな文字が見えにくくなくなった。手のひらサイズの生産性手帳では、仕事の内容を書き込めなくなってきた。2008年を最後に、生産性手帳を卒業して、「マークス」という会社が発行している、それまでの手帳より一回りサイズが大きな「箱型」(B5版)の手帖を、自分のスケジュール管理に利用することにした。
 新しい手帖(*お弁当箱のような形をしているので「手帖」と表現してみた)は、従来より分厚くなったので、ポケットには入らなくなった。持ち運びには不便になったが、良くなった点としては、「月単位」(前年の10月から始まる「最初の15頁」)と「週単位」のブロックにわかれていることだった。 
 ただし、長年使い慣れたミニシールは、そのままで継続して活用している。冒頭のアイキャッチ画像で、具体的な事例(2023年10月、月単位)を示すことにする。引退後のわたしの仕事や遊びぶりが、このページからなんとなく想像できるのではないかと思う。

 2年前に引退してから、仕事の量と幅(種類)が変わってきた。当初の初年度(2022年)は、従来と変わらない形で、仕事のカテゴリーを分類していた。しかし、そもそも活動の重点が変わってきているので、シールの色の割り当てを変えてみようと思った。
 2023年10月には、シールの色の意味がすでに変化している。変更がないのは、赤(花と野菜)とピンク(遊び)だけである。青色は(出版・取材、講演やコンサルティング、一部はリサーチを含む)、黄色は(院生や学生たちのための活動)、緑色は(マラソン)、オレンジは(消防団などの社会的な活動)。
 この間、わずか2年。その間に、ずいぶんと仕事の範囲と内容が変わってきたものだ。
  
 この先も微妙に、色の割り当てが変更になるかもしれない。
 個人的にとても感動したのは、オレンジ色の割り当ての変更である。「大学の学務マネジメント」に割り当てられていたオレンジ色(法政カラー)が、消防団などの社会貢献活動に振り分けられたことである。
 人は歳を重ねるにしたがい、社会的な役割が変化していく。たかが手帖に貼るシールの色の割り当ての変更である。しかし、わたしたち世代の社会的な立場の変化を反映していて、この発見は実におもしろかった。

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