【柴又日誌】#132:毎朝、BOSEのスピーカーから音楽が流れてくる

かみさんの誕生日に、同居している息子たち夫婦から、BOSEのスピーカーがプレゼントされた。ブルートゥースでスマホに接続して、彼女のハードディスクから音楽を取り出して、リビングいっぱいに流している。朝と夕方で、スピーカーから流れてくる音楽の傾向がややちがっている。朝方、頻度多く流れてくる曲が、これからリストアップするクラシック音楽である。

 

 いまは、午前10時すぎ。モーツアルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(小夜曲)が流れている。先ほどまでは、リムスキー・コルサコフの「シェーラザード」(千夜一夜物語・アラジンのテーマ曲)が聞こえてきていた。朝の音楽としては、静かなクラシック音楽が無難なのだろう。

 ちなみに、わたしの書斎兼寝室と、かみさんの小上がりの部屋は、リビングダイニングを挟んで対面(といめん)になっている。心地よい距離から、BOSEの音楽がわたしの部屋に流れ込んでくる。詰めた仕事をしているとき、文章や構想がうまくまとまらないと、音楽がやや気になるくらいだ。

 いま突如、アップテンポの曲に変わった。運動会の時、徒競走で拡声器から流れていた「トルコ行進曲」だった。これは、どなたの作品だったのだろう? いまさらながらだが、作曲家の名前を見て驚いた。ネットで検索してみたら、ベートーベンの曲だった。

 

 J-POPも、彼女の携帯スマホのメモリーに保存されているらしい。一番頻繁に流れてくるのが、さだまさしと竹内まりあの曲である。わたしと同年のさださんの曲は、わがカラオケの持ちネタである。かみさんから、わたしへのサービスで採用してくれているのだろう。コロナの前は、カラオケの「招き猫」や撤退した「シダックス」によく行っていたものだった。

 かみさんがなぜ、竹内まりあが好きなのかは不明である。旦那さんの山下達郎が、ほぼ全曲、彼女の曲をアレンジしているはずだ。作詞は、きっと本人なのだろう。これは、自信をもって言える。彼女の歌は、男女の恋愛のプロセスを扱ったものが多いからだ。

 終わってしまった恋の余韻を引きずりながら謳う。そうした曲想がメインになる。失恋の歌が特徴的なのだが、あれは本人の経験を歌っているのだろうか?テーマがほぼ共通しているので、ジャンルにやや広がりがない。だから、個人的には、竹内まりあの曲はすぐに聞き飽きてしまう。

 

 BOSEのスピーカーが4月にプレゼントされる前は、神戸の長男から数年前にプレゼントされたスピーカーを使っていた。こちらも便利に使っていたのだが、使いすぎて壊れてしまった。実は、次男夫婦からのBOSEは、その代替品でもある。

 いまのスマホのすごいところは、夫婦どちらのスマホからでもBOSEのスピーカーに接続できることだ。わたしも、LINEミュージックとサブスク契約をしているので、BlueTooth経由でBOSEに接続できる。だから、かみさんがわたしに「BOSEチャネル」をゆずてってくれることもある。

 わたしの選曲は、かみさんと違ってランダムだ。トップには、さだまさしやサザンオールスターズが並ぶ。その次には、懐かしのかぐや姫(なごり雪)や安全地帯(夏の終わりのハーモニー)がくる。どれも、カラオケ用にセットしている曲ばかりだ。松山千春(恋)やAI(ストーリー)なども「お気に入り」のカテゴリーの中に入っている。

 そうそう。わたしの特徴は、デュエット曲が多いことだろう。谷村新司と小川知子(忘れていいのよ)など。かみさんが嫌いな稲垣くんと女性シンガーのデュエットで、他の女性歌手のカバー曲など。

 

 そろそろ、スピーカーの話はこのくらいにして、仕事に戻ることにしよう。本日の夕方、私小説の最終ゲラを、神保町(小学館)まで取りに行くことになっている。どんな装丁に仕上がっているのだろうか。楽しみである。

 そのあと、恩田さんの書籍『米中冷戦がもたらす経営の新常識』(日経BP)の出版を、園田さん(小学館)と一緒に祝うことになっている。こちらは、小川町のイタリアンでムール貝でワインを飲みながらになる。