【日経MJの記事】「ドンキ熱き商品名300字」は、誤解を生む記事タイトル

 昨日(8月7日)発売の『日経MJ』の一面は、誤解を生みそうな記事タイトルになっている。気になったので、ここにコメントをしておくことにする。ドン・キホーテのPB商品(情熱価格)の知名度が、ドゥ・ハウス調べでは40.3%(業界第4位)である。そこまではよいのだが、PB商品の長さが「300字を超えている」という説明は、ミスリーディングで誤解を生んでしまう。

 

 流通のPBブランドでは、「トップバリュ」(イオン)が81.8%、「セブンプレミアム」(7&アイ)が75.0%、ローソンセレクト(ローソン)が53.1%と続く。その後で、「情熱価格」が認知率で第4位になっている。実は、わたしは、「情熱大陸」は知っていても、「情熱価格」のことは知らなかった。残りの59.7%のうちの1人である。

 問題だと思うのは、商品名を「通称」と「ニュース」に分割していることである。両方を合わせて、一つの商品名としてあることに違和感を覚える。ドンキの場合、2023年で最も長い商品名は、通称で「3種類味わえる柿の種」+ニュース部分「きっかけはお客様の『柿の種ってどれも同じだよね』の一言 柿の種の概念を打ち破る本物の柿の種を (中略) 柿の種の神髄はここから始まる、、」。

 これは明らかに、説明としてはおかしい。「通称」がブランド名(商品名)である。そして、「ニュース」は、単なる「商品説明」というPOPの文言である。だれも、この部分を商品名とは認定しないだろう。

 

 前例として、例えば、小林製薬の「トイレその後に」という消臭スプレイがある。「熱さまシート」や「のどぬ~る」なども小林製薬のユニークな商品名である。しかし、小林製薬は、そのあとに、説明文を必要としない。商品名がそのままユニークな機能を表しているからだ。

 それに比して、「3種類味わえる柿の種」の後に続いている、+「きっかけは、、、」のニュース部分は、POPに書かれている説明書きを超えてはいない。ひたすら長いだけで、商品名としては機能しているようには見えない。

 また、ブランド論的にも、商品名を二段階に分解している説明にもおかしいのではないか?商品名は、それ自身が機能や属性を表現するのだから、簡潔性の法則に従うべきである。消費者が思い出せないような長尺物(20文字を超えるような名前)は、記銘性の意味でも大いに困るのである。