花と植物のオンラインマガジン「FloralDaily」(2023年6月30日号)で、オランダの「PLNT」という会社が紹介されていた。1860年創業で施設園芸の生産者(4代目)だが、2018年に観葉植物のオンライン販売をはじめている。ショップ開設から5年。業績は順調そうだ。コロナが始まる前後に、日本でも観葉植物の販売事業に参入した企業が複数ある。
個人的にインタビューしたことがある観葉植物の会社としては、SHEL’TTER GREEN(バロック・ジャパン)とHitoHana(Beer Tech)がある。「シェルターグリーン」は、アパレルベンチャーのバロック・ジャパンが、2022年にはじめた新業態である。一号店を、埼玉県のアリオ川口の1階に出店している。
現在(2023年3月)は、みなとみらい東急スクエアなど5店舗になっている(ららぽーとTokyo-Bay、アリオ亀有、ららぽーと新三郷)。なぜか?わたしが住んでいる近くに出店しているのが不思議である。3月からは、実店舗だけでなく、オンラインショップ(https://www.sheltter-geen.com)をオープンしている。
一方、「ひとはな」は、当初からオンラインショップ(https://www.hitohana.tokyo)での展開である。創業者の森田憲久さんとは、お父様(森田洋蘭園)と知り合いだったこともあり、個人的にも親しくさせていただいている。
また、商売上では、フラワーギフトをよく利用させていただいている。インタビューの様子は、「若者は未来があって、本当にいいよなあ! 森田憲久さんのインタビューから | 小川先生 ~ 小川孔輔のウェブサイト」 (kosuke-ogawa.com)で紹介してある。全編は、JFMAニュース(2020年)に掲載されている。
ところで、FloralDaily.comの記事の方は、”Plant webshop PLNTS exists 5 years: Online plant market grows exponentially”(オンラインショップPLNTの創業から5年、オンライン観葉植物市場が急速に拡大)となっている。詳細は、同誌の記事”Online plant market grows exponentially” (floraldaily.com)を参照されたい。
記事の要点は、次のようになる。創業から5年で、観葉植物のビジネスが順調に伸びていること。とくにコロナが明けてからも、欧州では、「観葉植物ブーム」が去ったわけではない。家庭での植物(house plants)への関心の高まりを示す「オンライン検索」のデータ(2019年~2023年、たぶんグーグル・アナリティックスのデータ)が示されていた。それによると、2018年と比較して、コロナ明けの2023年現在でも、検索数(house plants)は2倍から3倍で推移したままである。
先月(5月)の末に、日本の鉢物・花壇苗の生産者に、同様の傾向があるかどうかをヒアリングしてみた。3月から4月にかけて、ところが、日本では2019年比で植物(鉢物、花壇苗、観葉植物)の販売が、90~95%らしい。外食や旅行で外出する機会が増えているので、家庭で植物を楽しむ時間が減少しているという説明がなされていた。
その理由は、①欧州と日本の植物に対する態度(植物の存在は、日本ではレジャーやホビーの代替品)のちがいなのか? ②欧州に遅れてコロナ明けした日本は、このあとヨーロッパのように、ふたたび植物への関心が回帰するのか? わたしは、後者に賭けたいと思う。しかし、業界のオーソリティーたちは、どのように考えているのか?
これから、このブログ記事を、観葉植物を生業にしている業界人と、市場分析のプロフェッショナルたちに送って、「植物市場」の現状と未来を予想してみたいと思う。結論は、ふたたび本ブログで紹介してみたい。