「フローラルイノベーション2020」を振り返ってみたいと思います。今年で2回目になる展示会の開催期間は、11月11日からの3日間でした。コロナ感染の拡大で開催そのものが危ぶまれていました。そんな中で、展示会への出展を決断してくださった会員企業には心から感謝したいと思います。
ブース出展企業は、順不同に、インパック、オークネット、シモジマ、バラ園植物園、大田花き、自由が丘フラワーズ、三和陸運、花恋人、国産花き日持ち性向上推進協議会、国産花き需要拡大推進協議会でした。
上京がリスクと感じられる雰囲気の中で、遠くからたくさんのJFMA会員の皆さんが会場に足を運んでこられました。もちろん首都圏近郊からの来場者も多数いらっしゃいました。最終的な結果を把握していませんが、昨年比では来場者が半分近くに減っていることは確実です。しかし、主催者(JMA+JFMA)として、これは致し方のないことだと思っています。開催できたことに意味があると考えています。
初日、東京ビッグサイト会場で開場直後の10時過ぎ、わたしの到着を待ってくださったオークネットの藤崎清孝会長が、いみじくも次のように述べていました。「う~ん、小川さん、来年(に期待)だね」。傘下の砧花きを経営統合して、コロナ禍で躍進を狙う経営者の言葉に励まされました。
3日間で、参加企業のブースをすべて回ってみました。来場者数は減少していましたが、どのブースも商談や情報交換が活発に行われていました。インパックの守重知量会長から初日、会場を離れた後に携帯にメールをいただきました。
「来場者は減少しましたが、確実な引き合いがかなり入りました。農研機構の生鮮の研究者と共同研究もはじまりました」。実質的で内容の濃い展示会ではありました。
ところで、主宰者・会長として一番重要な役目は、初日のセミナー講師とプロダクトアイディア大賞のプレゼンターでした。アイディア大賞には、全国各地から91件の応募がありました。予選を通過した作品はどれも素晴らしい出来栄えでした。来年に期待です。
わたしは3日間、ほぼ出ずっぱりの状態でした。二日間は、コロナの感染に注意しながら、会場の近くで「アフターミーティング」も実施しました。遠くは福岡、広島、香川、奈良、大阪、岐阜、仙台などからのメンバーと交流を深めることができました。一年ぶりに対面できる人も多数で、一瞬ですが男同士でハグをしそうになりました。
わたしは、初日にセミナーで「これからの花産業」のテーマを担当させていただきました。講演は1時間。わたしのセミナーを聞くために、100名近くの方が会場まで遠くから足を運んでいただいたようです。セミナー後に、JFMAのブースに来ていただいた方とは、長い時間話すことができました。新しく花業界に入られた方や、これまで業界で活躍されていたけれど、たまたま面識がなかった方たちです。
なお、講演で驚いたことがありました。最初に、ユニクロの花販売(3店舗)について写真とスライドを使用して紹介しました。「原宿店や銀座店の花を、実際に見た方は手を挙げてください」という質問をしたところ、半分以上の方が挙手をされました。また、花のサブスクについても皆さんご存知でした。昨年に続いて、セミナー聴講者の感触はよかったです。
最後に、セミナーの最初でまとめたポイントを紹介します。花市場を活性化するための取り組みとして必要なことは、
1古くて新しいカテゴリー(ホームユース)を伸ばしていくこと、
2花以外の商品(フラワー雑貨など)を花店でも販売すること、
3花店以外のチェーン(ユニクロや無印良品、コンビニ)が花を取り扱い始めること。
花業界にとってコロナは絶好のチャンスです