JMA(日本能率協会)のご厚意により、2019年からJFMAとして新しい展示会に進出することになった。「アグロ・イノベーション2019」と併設して開催される「フローラル・イノベーション2019」である。会期は2019年11月20日(水)~22日(金)。場所は、東京ビッグサイト西館。JMAの発表によると、三日間の来場者は1万1千人弱となっている。
出展者は連日のように来場しているので、賑わいを測るモノサシである「延べ来場者」は、5割増くらいではないかと思う。来場者数だけで比較すると、かつて共催していたIFEXのほうが会場は賑わっていたことになる。しかし、体感の混雑度は同程度か、むしろJMA主催の方が賑わっているように感じた。
初年度は急遽の開催で準備不足もあって、花業界からの出展企業は数社にとどまったが、中身の濃い展示会だったと確信している。何よりも、アグロ・イノベーションと同時に開催されていた他の展示会の盛況ぶりに驚いてしまった。
しかし、今回は責任感だけで会場に詰めていたわけではない。自分たちのエリアだけでなく、隣接の展示会が面白かったからである。会期中は、次年度のこともあるので、展示会場で興味深そうなブースを順番に回って「取材」をしていたのである。
JFMAが管轄しているブースは、主催者のJFMA以外では、「インパック」「スミザーズオアシスジャパン」「国産花き日持ち性向上推進協議会」「誠文堂新光社」「Sフローラ」である。
なによりもうれしかったのは、セミナー会場で聴講者が行列を作って開場を待ってくれている風景を見たことである。立ち見が出るほどの熱心なセミナーは、絶えて経験したことがなかった。IFEXのセミナー以来、10年ぶりにわたしの話を聞くために来場してくれた方もいた。自分が「過去の人」になったわけではないと実感できた。
インパックの守重知量会長によると、来場者にはふたつの特徴があったとのこと。ひとつは、必ずしも花業界の関係者ばかりではないので、新しい顧客の開拓になったこと。二番目は、ブースを訪問してくれた顧客の成約率が高かったことである。たしかに、JFMAのブースに座っていても、“ひやかし”でブースに立ち寄る人はほとんどいなかった。自分の問題解決のため、熱心に担当者と会話する人がほとんどだった。
規模のわりに展示会がとても盛況で、出展者側の手ごたえがよかったのは、大学の研究室などが出展していることも関係していたのではないだろうか。研究者たちは、目の前の問題もさることながら、未来の技術に関わる課題に取り組んでいる。実務を担当する開発者も、会場にはたくさんいたように思う。展示会が未来志向のテーマに取り組んでいる熱い雰囲気を醸し出しているのは、その辺の理由からだろう。