【JFMAニュース・巻頭言】「今年の母の日:売れ行きが好調だった店は、フラワーバレンタインに熱心に取り組んでいた花店さんだった」(2014年5月号)

 ここ数年来の習慣は、母の日の翌日(第二月曜日)の電話コールだ。今年も、週明けの月曜日の午後に、全国の花屋さん(社長さんご本人や担当者)、量販店の関係者(花部門担当者)に電話を入れた。今年は、松島専務とふたりで手分けして、母の日(5月11日)の翌日に、各店の母の日当日と一週間前からの売れ行きを調べた。


結果は、個人ブログに【母の日、速報】としてアップしてある。速報値を知っている人もいるだろう。全国平均では、対前年比が店売りで「+107%~+110%」、ギフト販売(カタログやネット)が「+80%~120%」だった。全国的に店売りは好調、ギフトは前年に並みかやや不調といった結果だった。
 
 電話取材をしていて、一番伸びが大きかったのは、静岡県の量販店(特設花売り場)である。母数が小さいのでなんとも言えないが、対前年比で5倍の伸びである。成功の立役者は、カーネーションやバラのような切り花ではない。値ごろ感のある「ミニ胡蝶蘭(5号鉢)」が、特設売り場で飛ぶように売れたからである。「取引関係先から安く調達した商品を、手ごろな値段で価格設定できたからだろう」(担当者)。
 この会社は花を売りはじめてからまだ数年しか経っていない。担当者は満面の笑みで、翌週の「イブニングセミナー」に駆けつけてくれた。母の日の好調を受けて、実店舗の常設花売り場を確保できることになったようだ。これからは、先入観がない「花の素人」が活躍するのかもしれない。
 
 以下は、JFMA会員の各店舗(チェーン店全体)の対前年度比売上伸び率である。店売りのみを速報値で示してある。専門店が8店舗、量販店が5か所である。専門店1(+106%)、専門店2(+110%)、専門店3(+100%)、専門店4(+107%)、専門店5(+110%)、専門店6(+107%)、専門店7(+120%)、専門店8(+100%)、量販店1(+108%)、量販店2(+105%)、量販店3(+500%)、量販店4(+129%)、量販店5(+107%)。
 JFMA会員の皆さんは、一般的な傾向として、フラワーバレンタインの活動に熱心に取り組んでいる。たとえば、専門店(#5、#7)や量販店(#4、#5)などである。リストでは具体的な社名を明かせないが、伸び率が大きい店舗(企業)は、明らかに「フラワーバレンタイン」(2月14日)に積極的に取り組んでいる企業や店主たちである。
 母の日とバレンタインの販売に大きな相関がみられるのは、従業員のモチベーションづくりに変化が起こったからだと思う。全国各地からの報告を聞いていると、2月14日に向けてプロモーションが成功したことで、3か月後の5月11日(母の日)の企画に弾みがついたようだった。扱う花の種類はちがうが、店頭での取り組み方は同じである。
 
 大切なことは、フラワーバレンタインの「ワーキングチーム」がそうであるように、好循環のサイクルが毎年、同じチームで継続できることである。メンバーの創意工夫が翌年の改善を生み出している。そして、成功が続けば、従業員も仕事が楽しくなる。知識は組織的に共有され、新しい組織文化を生み出していく。