とちぎ経営人財塾で「地域で活かすマーケティング手法と実践」(1月20日)という講演をした。栃木県の中小企業経営者と会社幹部に向けて、基礎的なマーケティングの話をした。そのときに、パワーポイントで準備していなかったポイントをメモに残しておく。
講演は事例(「CS女子力本」)が中心だったが、マーケティングを成功導くためのポイントとして「バランス(案配)」を強調した。7つのバランスをメモに残しておく。詳しい解説は、講義で各自がメモをしていたはずである。ここでは繰り返さない。
(1)C&Pのバランス
顧客を獲得して維持するためのバランスのこと。コンセプト(C)とパフォーマンス(P)の案配のこと。製品を認知させるためには、魅力的なコンセプト(製品アイデア)を伝えることが必要だ。
ただし、トライアル(試用)をしてもらっても、使ってみて性能(パフォーマンス)が悪ければ、リピート(再購入、再利用)にはつながらない。製品の成功には、CとPが両方必要である。とくにそのバランスのとり方が課題になる。オリジナルの考え方は、梅澤伸嘉さんの「CPバランス理論」から。
(2)N&Eのバランス
ふつうの企業であれば、売り上げは既存品と新製品から構成される。理想的な割合は、20:80だと言われている。新製品(New)が2割、既存製品(Existing)が8割。既存品だけで商売しようとして、いずれ売上は落ちていく。どこかのタイミングで新製品を投入しなければビジネスは尻すぼみになる。
ただし、新製品は開発にコストもかかる。発売してみないと売れるかどうかわからない。リスクがあるから、安全確実な既存品との適当なバランスが必要になる。言葉を変えると、これは、自社顧客のバランスの問題でもある。
既存顧客は収益性が高いし、サービスの場合などは扱いも楽だ。しかし、いずれに顧客が年を取ったり、他の場所に移動するものも出てくる。いつでもその不足分を補うために、新しい顧客の開拓が必要である。これもバランスがある。
(3)Q&Pのバランス
製品の価値方程式は、V=Q/Pである。価値(Value)は、品質(Quality)÷価格(Price)である。どんなに価格が安くても、品質が悪いとその製品の評価の価値は低くなる。逆に、特殊なラグジュアリーブランドを除けば、高い品質であっても価格に見合わなけれ消費者に受け入れてもらえない。
価格と品質は、適当にバランスしていなければならない。当たり前のことだ。
以下は説明を省略します。
(4)S&Pのバランス
マーケティング提供物(Marketing Offerings)における、サービス(Service)とモノ(Product)のバランスのこと。
(5)A&Pのバランス
コミュニケーションメディアにおける電波媒体(Air Media)と印刷媒体(Print Media)のバランス。
(6)D&Iのバランス
直販チャネル(Direct)と間接チャネル(Indirect)のバランス
(7)P&Eのバランス
商品のベネフィット(Function)で、Physical(物理的な機能)とEmotional(情緒的な機能)のバランス。