書評・映画評

書評・映画評

【文献紹介】 大久保洋子(2012)『江戸の食空間: 屋台から日本料理へ』講談社学術文庫(★★★★)

江戸時代の町人や武士たちはどんな食生活をしていたのだろうか。そんなことが気になっていた。この後で紹介する、おおやかずこ著(1995)『おかず屋のおかず』(柴田書店)では、昭和になって登場した「惣菜文化」の本質が見事に描かれている。それでは、...
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【書籍紹介】森岡毅(2019)『苦しかった時の話をしようか:ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』ダイヤモンド社(★★★★)

『リーダーたちの羅針盤』などの出版でお世話になった編集者の村上直子さん(生産性出版)と、先週会食をすることになった。村上さんは、葛飾区金町在住のご近所さんである。次に出す本の打ち合わせも兼ねて、高砂駅前の「寿司ダイニングすすむ」で待ち合わせ...
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【書評】 中野香織(2020)『「イノベーターで」読む アパレル全史』日本実業出版社(★★★★★)

衣料品(アパレル)チェーンのビジネスには詳しいほうだと思うが、ファッションやモードの歴史については素人同然である。「全史」というタイトルに惹かれて読んでみた。『日本経済新聞』の書評欄で見つけた本だった。コロナで時間ができたので読んでみたら、...
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【書評】 松井剛編(2019)『ジャパニーズハロウィンの謎:若者はなぜ渋谷だけで馬鹿騒ぎをするのか?』星海社親書(★★★★+★)

4月に学生の課題図書として、本書の感想文提出を義務付けていた。一橋大学の松井教授編の「日本のハロウィン現象」を扱った書籍である。申し訳ないことに、新型コロナのどさくさとわたし自身の新刊発売の忙しさにかまけて、25人への感想文へのコメント書き...
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【書評】 橘川武郎(2019)『イノベーションの歴史』有斐閣(★★★★)

先々週、本書を『日本経済新聞』の書評欄で見つけた。なるべく早めに読もうと、直近在庫リストに入れておいた。学内外の行事やセミナー、講演などが中止になったので、昨夜から今朝にかけて読んでみた。先日亡くなったハーバード大学教授のクリステンセンの「...
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【新刊紹介】 竹下大学(2019)『日本の品種はすごい:うまい植物をめぐる物語』中公新書(★★★★★)

著者の竹下さんと直接の面識はないが、元上司だった人物や友人に知り合いがたくさんいる。”竹下大学”といえば、花業界人との会話の中にしばしば登場する名前である。”大学”という名もめずらしい。しかし、国際的に著名な花の育種家が、食用植物の育種の歴...
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【新刊紹介】 電通 美術回廊編(2019)『アート・イン・ビジネス: ビジネスに効くアートの力』有斐閣(★★★★)

編者の表記をまちがえてしまった。正しくは「美術回路」である。偶然に起こってしまった錯覚は、美術品を展示する場所(画廊)の連想から来ている。ビジネスの枠組みに「アート」を持ち込むのがとても難しいことが、本書を読み終えて改めて理解できた。
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【新刊紹介】 西川幸孝(2019)『物語コーポレーションものがたり』日本経済新聞出版社(★★★★)

「㈱物語コーポレーション」の創業者、小林佳雄会長の企業理念を紹介した著書。著者の西川氏は、経営コンサルタント出身で物語コーポレーションの社外取締役。同社の社是がぶっ飛んでいる。Smile&Sexy!「上場企業の社是としてこの理念はふさわしく...
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【推薦図書】 高田朝子『女性マネージャーの働き方改革2.0』(生産性出版)。

「男勝り」(良い意味で!)という言葉がぴったしの女性が、わたしの周りには世間一般の平均より多いように思います。代表的な”男ぶりな女子”で同僚の高田朝子先生が、生産性出版から二冊目の「女子力本」を刊行しました。昨日、6階の研究室で『女性マネー...
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【感想文】 瀬戸内寂聴訳(2007)『源氏物語(巻1)』講談社文庫(★★★)

「文学史に残る不朽の名訳で読む華麗なる王朝絵巻」(文庫本の帯)。瀬戸内さんは好きな作家だが、この文体はどうなのだろうか?「すべての恋する人に贈る最高のラブストリー」。学生時代は古文が不得意な科目だった。現代語訳だからと、夏休みにぽっかり空い...