ライブラリー

書評・映画評

【書評】デイビッド・グリッグ(2001)『農業変化の歴史地理学』二宮書店 (上)

古い農業経済書をいまさらながら読むことになった。文科省の科研費研究で、農業分野のイノベーションを研究することになったからだ。読んでおくべき古典文献がいくつかある。そのうちの一つが本書である。原典は1982年に刊行されている。わたしの米国留学...
書評・映画評

【書評】 嶋浩一郎・松井剛(2017)『欲望する「ことば」:「社会記号」とマーケティング』集英社新書(★★★★)

著者の松井剛さんから年初にいただいて、机の上に「積んどく状態」になっていた書籍。学生の課題図書にも指定していたが、ホノルルマラソンの帰りの便でようやく読むことができた。予想通りにおもしろかった。実務家と研究者が連携して、ひとつのテーマ(社会...
書評・映画評

【書評】Scott Galloway(2017), ”The Four: The Hidden DNA of Amazon, Apple, Facebook, and Google” Portfolio/Penguin

昨年10月に発売されて全米ベストセラーとなったビジネス書。『ネット勝者たちの隠れた遺伝子』とでもタイトルを付ける?著者は、ビジネススクールで教鞭をとっている現役の経営者。自らも10社の創業と経営に携わった経験のあるシリアル・アントレプレナー...
Research & Reports

「店舗小売業受難の時代:タップ&レンタルが突破口に」『DIY協会会報』(2018年新春号)

少し前、今年1月に標記のような論考を書いた。半年に一度、依頼されて書いているDIY協会の会員向けのシリーズ原稿である。知り合いの田中亮介さんに、法政大学(JFMAセミナー)で講演していただいた。彼はGreenSnapという「植物愛好家のSN...
Research & Reports

【寄稿文】「製造小売業への道を開き、食の全機能・サービス提供企業へ」『食品商業』(2018年新春号)

『食品商業』(商業界)から、2018年の新春号で、「食品スーパーの経営課題、総ざらい」という特集を組むので原稿をいただきたいとの依頼をいただいた。締め切りまで二週間しか余裕がない。それでも、引き受けることにした。元同僚の嶋口先生の教えの通り...
Research & Reports

【雑誌掲載】 「HCとECのシナジーを考える:アマゾンがホールフーズを買収したことの意味」(『DIY協会報』(2017年7月号)

夏に掲載されていた原稿をブログに収録するのを忘れていた。四か月遅れてアップする。いまDIY協会から依頼されている原稿(2018年新春号)が、本日締め切りになっている。佐竹伯父の告別式が終わってから、「タップ&レンタルの時代」というテーマで書...
書評・映画評

【書評】 夏井睦(2013)『炭水化物が人類を滅ぼす:糖質制限からみた生命の科学』光文社新書(★★★★)

少し前にブームを巻き起こした「糖質カット」の指南書。わたしと同じ秋田県出身のお医者さんが書いた本で、ベストセラーになった。いまごろ遅れて読んでいるのは、有機農業と植物由来の食材について推奨する『植物の時代』という本を準備しているからだ。
書評・映画評

【推薦図書】 西岡健一・南知恵子(2017)『製造業のサービス戦略』中央経済社(★★★★)、杉原淳一・染原睦美(2017)『誰がアパレルを殺すのか』日経BP社(★★★★)

最近読んだ本で、推薦できる二冊を紹介します。まず後者は、ユニクロ柳井社長の「もう、”散弾銃商法”は通用しない」の箴言で話題になった本。10月度のゼミ課題図書に指定したが、学生たちからも、自らの経験に照らして賛同意見が多かった。
Research & Reports

【ヒット塾】 拙稿「ヒット生む食ビジネスの革新」『日経MJ』2017年9月25日号

日経MJヒット塾」で最終回を担当させていただいた。2013年の第一回(10月)も原稿を書かせていただいた。最終回にふさわしく、副題も「超常識、植物由来の肉も」を予定されていた。最後の託宣になる。5つの分野で未来のヒット商品が生まれる分野を予...
書評・映画評

【書評】 老川慶喜(2017)『小林一三:都市型第三次産業の先駆的創造者』PHP研究所(★★★★)

「あとがき」のない著書である。「序(文)」も驚くほどシンプルだ。社史・経営史の書き手は、事実とデータをこんな風に淡々と並べて書くものなのだ。この手法は、商学・マーケティング分野の書き手には真似ができない。同じシリーズの『中内功』(石井淳蔵著...